これからの生活に花束を

Melusineのリーリエ様に捧げます!
遅くなりましたが20万打おめでとうございます!!

※監禁・狂愛・病み注意
氷室に監禁されてる話。
氷室自傷癖あり。



いつから、太陽を見ていないだろう。
いつから、外の空気を吸ってないだろう。
私は、この窓のひとつもない部屋が全てだった。


ガチャリ


重たい扉を開けて入ってきたのは、私を監禁している氷室辰也。
彼は、綺麗な顔をほころばせながら私の元へとやってきた。


「名前」


「っ、辰也」


「俺がいない間、いい子にしてた?」


「してたよ。ずっとこの部屋にいた」


彼は、私の頭を優しく撫でた。
いつも不思議に思う。
いつから、間違ったのか。
私と辰也は、ただの同級生だったはずだ。
いつの間にか、こんな状態になっていた。


「ねえ、名前。大好きだよ。世界の何よりも愛してる」


「…私もだよ」


辰也が愛しそうに私を抱きしめながら、愛を囁く。
それを受け止める。
もう、外の世界に出ることは諦めた。


「名前っ、もう俺には君だけなんだ…君だけなんだよ」


ぎゅうっときつく抱きしめられる。
その時、私は辰也の左手が濡れてるのに気がついた。
まさかっ…!


「っ、辰也っ、左手っ…」


「あはは、また、やっちゃった」


彼は、離れて素直に左手を私に差し出す。
そこは、カミソリか何かで切ったであろう傷に血が出ていた。


「いつもやめてって言ってるじゃん!」


私は、ベッドの近くに置いている救急箱を取り、手当をはじめる。
もう、慣れたものだ。


「止められないよ。だってこの時が一番幸せなのだから」


「っ!だけど辰也に傷を作って欲しくない」


綺麗な肌にはいくつもの傷跡がある。
見るだけでも痛々しい。


「この時間が一番、名前が構ってくれるから」


ふわりと幸せそうに笑う辰也。
そして、またぎゅうっと抱きつかれる。


「ごめんね、監禁なんてしちゃって。でも、監禁でもしてないと俺、名前がいなくなりそうで…もう二度と戻ってこない気がして心配なんだ」


「…」


「だから、一生離してやらないし、ここからも出してあげない。ごめんね、名前のこれからも自由も俺がもらうね」


そして、辰也は、私に触れるだけのキスをした。
彼の頬に一粒の涙が流れた。


「いいよ。ここにいてあげる。私の全てを辰也にあげる。だから、泣かないで」


手のひらで拭ってあげても止まらない涙。
彼に同情したのかもしれない。
だけどいい。
もう決めた。
ずっと彼のそばにいる。


「ごめんね、ごめんね、名前。大好き、愛してる愛してる愛してる」


辰也は、何度も謝りながら愛を囁いた。
私はきっとこれからも、彼に囚われたままなのだろう。


これからの生活に花束を


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これからも応援してます!!