それが禁じられていたとしても

※女体化・ヤンデレ百合


世界はいつも不公平だと思う。


「ねえ、名前」


「…どうしたの、征ちゃん」


「私ね、いつも思うの」


私は名前をじっと見た。


「世界はなんでこんなに、不公平なのかなって」


「…?どういうこと?」


名前は私のことを意味不明な瞳で見てきた。
その瞳が好きでたまらない。


「名前はかわいいなってことだよ」


「征ちゃん、分かんないよ」


私は、グイッと名前を私の方へ寄せる。
その反動を利用して名前の唇に私の唇を合わせた。


「んっ…!?」


「んあ、名前」


名前が勢いよく離れる。


「っ、征ちゃん、何をするの…っ」


「――私ね、名前のこと愛してるの」


「っ!?」


名前の目が見開かれる。


「名前、私、君に初めて会った時からずっとずっと思いを寄せてきた。いつもどんな時でも君のことを見てきた。名前に近づく他の男も他の女も許せない。殺したいくらいだ。ねえ、このままだと君に近づくやつを全員殺しそうだ。だから、ねえ。名前、私のとなりにずっとずっといてよ」


「ひっ」


繋いでいる手を離さないように力強く掴む。
痛いのか、名前が眉をひそめた。


「征ちゃん、でも、私ね。黒子くんのことが…」


「知ってるよ」


そうだ。
名前は黒子テツヤが好きだ。
それが一番許せない。
なんで私じゃないんだ。


「なんで、私じゃないんだ」


「え?」


「なんで、名前は私を選ばないんだ」


同性同士だから?
そんなの関係ない。
世間が否定しても私がずっと傍にいてあげる。


「征、ちゃん」


「ねえ、私を選ばないなら…」


名前を引っ張る。
びくりと肩が震えるのが見えた。


「一緒に死のうか」


title byっぽい