『火神くんへ☆
おっはよー!下駄箱の中から、この手紙を見つけた火神くん!
そんな、火神くんにお願いがあります。
これらを学校中を走り回って探してきてください。
1、降旗くんが持っている大きな袋(中身見るなよ)
2、どこかに隠してある小さな袋(中身見るなよ)
3、リコ先輩の持っている大きな箱(中身見るなよ)
※隠し場所のヒントは、そこらへんにいるバスケ部員に聞いてください☆
名前とテツヤより☆』
「………なんだこれ」
朝、黒子に誘われ自主練に行こうと思い下駄箱を開けるとそこには手紙があった。
開けてみるとこんな手紙。
くそ、名字に黒子め…!!
「ま、とりあえず探すか…」
俺は、その手紙に書かれたものを探すことにした。
――――――
「あ、フリ!」
「!火神!」
あっさりと見つけられたフリに近づき、大きな袋をもらう。
「お前、よくこんな大きな袋持ってられたな…中身なんだよ」
「結構きつかったよ…中身は見るなよ!絶対に!!」
「お、おう…」
顔を近づけて言うものだから、中身は見ないことにしよう。
続いて、小さな袋を見つけることにした。
「で、フリ。ちっちぇー袋どこにあるんだよ」
「あ、ヒントね。はい、これ。名字から」
フリに渡されたのはまた手紙。
俺はそれを開ける。
『2つ目の在処のヒント―!!
君の教科書の中さ☆』
「どういうことだよ!」
「えええ!?俺に言うなよ!!わからないからね!?」
…これ以上フリは役に立たなそうなので俺は、「サンキュ」と言い、フリと別れた。
教科書?
ってことは、教室の机の中か?
「……ねーよなー」
探してもない。
ほかに教科書……
ああ、ロッカーだ。
ロッカーに行って開けてみるとそこには、小さな袋に1通の手紙だった。
「また、手紙かよ」
仕方なく開ける。
『リコ先輩は、どこにでも出没するから気を付けろよ!』
「……はあ?」
これがヒントかよ!!
全然ヒントじゃねー!!!
「はあ、探すか」
カントクがいそうなところを探す。
どこにいんだよ。
その時だった。
「火神くーん☆」
「!!!!!」
トンと肩を叩かれた。
その声の主は、探していたカントクだった。
「どんな登場の仕方だ…!!!です!!」
「あはは!いーじゃない。はい、これね」
大きな箱を渡される。
ほんとにすげー荷物だな。
「最後は、体育館よ。それじゃあ、いってらっしゃい」
にこりと、笑うカントク。
いってらっしゃい?
どういう意味だ?
俺は、カントクの言葉に従い体育館へと向かった。
「……ほんとに何だったんだ」
ガチャリ、と体育館のドアを開ける。
その瞬間だった。
パン、パンパン!!
何かが舞う。
「「誕生日、おめでう!/ございます」」
そこには、まだ制服姿の名字と黒子の姿。
二人の手には、クラッカー。
そして、誕生日おめでとうの言葉。
「…え、は?」
「火神くん!誕生日おめでとう!!」
「火神くん、誕生日おめでとうございます」
頭が回らない。
「おーい、火神くん大丈夫ー?」
「な、っ、てちょ、ま!!」
「おーおー顔が赤くなってますな」
自覚した途端、顔が赤くなる。
まさか、俺の誕生日…!!
「3つとも手に入れたんですね。それらは誕生日プレゼントです」
「大きな袋は、バスケ部全員から!そして、小さい袋は私たち1年生から!」
がさどそと、開けてみる。
大きな袋には、たくさんのものが入っていた。
きっと、一人ひとり入れたのだろう。
「……、サンキュ」
今はいない、部活メンバーにお礼を言う。
聞こえていたのか、二人は少し笑っていた。
そして、小さい袋を開けてみる。
「……ミサンガ?」
「うん!ほら、みんなでお揃い!」
二人の手にはお揃いのミサンガがついていた。
そういえば、フリにもついていた気がする。
「名前さんが考えたんですよ」
「えへへ、みんなでお揃いの持ちたいなと思ってさ!」
二人の言葉に自然に顔がゆるんでいくのが分かる。
「ありがと、な」
そういうと、二人はさっきよりも嬉しそうな顔をした。
「火神くん!生まれてきてくれてありがとう!」
「そして、僕たちと出会ってくれてありがとうございます」
Happybirthday!火神大我!