君とキセキと鬼ごっこ



※狂愛・病み表現注意
赤司一人称『僕』、名前呼び



それは、暑い夏の部活終わりの時間帯だった。
綺麗な夕日が見える。
そんな日に始まった。


「…え!?ちょっ!赤司様!何をおしっゃっているのですか!」


「なんだい、名前。僕の命令に文句でもあるのかい?」


にこやかに言う赤司。
いやいや、文句あるに決まってるだろ!


「なんで急に『ドキッ☆真夏の鬼ごっこ大会』なんてやるのさ!」


しかも、題名!!
馬鹿すぎる!!


「どーどー、名前っち。落ち着いて下さいっス」


「落ち着いてられるか黄瀬えええ!」


「ぐええ、締まってる!締まってるっス名前っち!!」


いけないいけない、つい感情のあまり黄瀬の首を締めてしまった。


「…なんで、名前さんそんなに怒っているのですか」


「…テツ君。いや、私だって普通の鬼ごっこだったら怒らないよ?いや、ルールがね」


「ルール、ですか?」


「うん。なぜ、私以外のキセキ共が鬼なんだ!」


「それはよー、名前を捕まえるのが面白いからだろー」


私の問いに青峰が答えた。
その青峰は、片手にエロ本持ってるけどね。


「バカ峰死ね!」


「バカ峰ってなんだよ、おい!」


私を捕まえる方が面白いってなんだよ!


「名前ちーん」


「ぐふっ」


青峰と言い争いをしていると、紫原が私の上に乗っかってきた。
重いよ紫原!
私と君の体格差!!


「紫原、名前が潰れそうだから離れてやるのだよ」


「みどちーん、えー、名前ちん抱き心地いいんだよー?」


「紫原くんやい、それは私が太ってるって言いたいのかい」


「えー?」


誤魔化した!!
誤魔化したよ、紫原!


「ほら、名前。そんな駄々こねてないで、やるぞ」


「え、ほんとにやるの?」


「当たり前だ」


にこりと笑って言う赤司に逆らえるはずがない。
ハサミまで取り出したもんね。


「…捕まったら、楽しみにしていてね」


死亡フラグー!!!!
私は、それから逃げることとなった。


「…おい赤司」


「なんだい、大輝」


「捕まえたらなんでもしていいんだな?」


「いいよ、捕まえられたらだけど」


「わー、名前っち捕まえたらどーしよー!俺たぶん、閉じ込めちゃうっスよ!」


「僕もです」


「まあ、みんな思うことがあると思うが名前を捕まえに行くぞ」


ーーーーーー


「はあ、はあ…」


帝光中は、広いけど…
みんなは、あのバスケ部だしな。
馬鹿みたいな体力あるやつらだからな。


「…どうしよう…」


「名前ーどこなのだよー」


「!!」


緑間くんの声だ。
ヤバイ、見つかる!!
あ、教室の教壇に隠れよう。
そう思って私は近くの教室に入り隠れた。


「…行った、かな?」


出ようとしたときだった。


「名前さん」


「んっ!!」


口を抑えられ、後ろから抱きつかれた。


「名前さん、捕まえた」


「んんんっ!!」


テツ君は、私の耳元で名前を呟く。
息が当たる。
気持ち悪い。


「もう、僕のものです。離しませんよ、どんなことをしても」


「んっ!」


誰か助けて!!
こんなテツ君知らないんだけど!!


「あ、名前っちに黒子っち!」


ここで、黄瀬がきたか!!
それでもありがとう!
助けてくれ!!


「何やってるんスか、黒子っち!早く名前っちを離してください!」


黄瀬に無理矢理はがされ、私たちは離れる。
すると、黄瀬に抱きつかれた。


「黄瀬くん!?」


「ちょ、黄瀬!?」


「ねえ、名前っち、僕のものになってくださいっス。そうしないと、俺俺…」


「黄、瀬?」


黄瀬の目が細められる。
モデルなだけあり顔が整ってる人に見つめられると顔が自然に赤くなる。


「俺、名前っち以外殺しちゃいそうっス」


えええええ!
やめてくれ。


「ちょ、黄瀬冗談きついよ?」


「本気っスよ」


んな、笑顔で言われても困るわ!


「黄瀬ちーん、何言ってんの?」


「「「紫原/っち/くん!?」」」


まいう棒を食べながら登場の紫原。
黄瀬もでかいけど紫原も大きい。


「黄瀬ちんばっか独り占めはずるいよー?」


「だって、紫原っち!」


「だーめ!名前ちんは、みんなのものでしょ?」


「は?」


何それ!?
みんなのものって!



「紫原くん、そういう約束でしたけどもう無理です。我慢ができませんでした」


「ええ?テツ君!?我慢って約束って何よ!」


「名前、さん」


テツ君は、私の頬に手を伸ばす。
そして、てが私の頬を這う。


「大好きですよ」


っ!!!
テツ君がかっこよく見えるんですけど!


「おーい、テツ。抜けがけ禁止」


そこに青峰が登場。
なんか、キセキのみんなが集まってきてるんだけど。


「なー名前ー。俺の元に来いよ。そうすれば、ずーっとずーっと守ってやるぜ?」


「…青峰」


「俺のもんになれよ」


ぐいっと私を引っ張り腰を抱く。
なんか、中学生なのにありえない身長だから色気がありまくるんだけど。


「…ちょ、青峰っ」


「青峰っちひどいっス!」


「ざまあ、黄瀬」


ドヤ顔している青峰。
…そろそろ、腰から手を離して欲しいんだけど。
その時だった。


ドスッ


「いってぇー!!」


青峰は、頭になにか当たったらしく頭を押さえる。
その青峰の近くに転がっていたのは、国語辞典だった。
っ!
これは、まさかのスリーポインター!?


「ふん、さすが人事を尽くしているからな」


眼鏡を指でくいっとあげながら登場の緑間くん。
すごいよ、緑間くん!
ボール以外でも外さないんだね!


「名前から離れるのだよ。名前、そんな汚い奴らのところにいるな」


ぐいっと引っ張られる。
そして、除菌用品を取りだし、私を満遍なく除菌する。


「汚い汚い汚い汚い汚い汚い」


「み、緑間くん!?」


「綺麗にしなくてはならないのだよ」


ゴシゴシと手を洗う緑間くん。
痛いよ。


「……真太郎、そこまでするな」


そこに、赤司が堂々と登場した。


「名前」


赤司に名前を呼ばれる。


「おいで、名前」


赤司に逆らえるはずがない。
私は、素直に赤司のもとに向かう。
そして、抱きしめられた。


「名前、僕のしもべに、なりな」


「はい!?」


しもべ!?


「ずっと、いや一生かわいがってあげるよ」


「っ」


オッドアイに見つめられる。
私の全てを見られてるようで怖い。


「ねえ、名前。もう、僕たちから逃げられないんだよ?」


笑う赤司。
笑うみんな。
ああ、逃げられない。
私は、もうキセキの世代から逃げられない。
そう思った、帝光中での『ドキッ☆真夏の鬼ごっこ大会』だった。



君は、ずっとキセキに囚われたまま



夢恋様へ提出。
狂愛って大好きです。
もっと病んでて欲しい。