君の言葉一つが宝物

※Free!が大好き過ぎて衝動で書いたSS
遙と真琴の幼馴染み設定


「ふーん、それで真琴たちは水泳部を作ったと」


「そうなんだよね」


遙の家の茶の間で真琴とお茶を飲みながら話をしていた。
ちなみに遙は台所で水着にエプロンといういつもどおりの格好で鯖を焼いていた。
そういえばもうそろそろ渚も来そうだな。


「ふーん、いいんじゃない?てかさ、遙やる気になったんだ」


「まあ、そこはね」


あははとたれ目の目を細くさせて笑う真琴。


「…そうなんだ。じゃあまた泳いでる姿が見えるってわけか」


「そうだね」


私はお茶から視線をずらし遙の後ろ姿を見る。
また、あの遙の綺麗な泳ぎが見れるのか。


「なに、名前。ハルの泳ぎを見れて嬉しいって?」


「当たり前。でも、真琴の泳ぐ姿も楽しみだよ」


真琴は不意をくらったかのように目を見開いて驚いていた。


「え…?」


「おい、名前!ご飯をもれ!」


「あ、うん。今行くよ」


遙に呼ばれ私は慌てて立ち上がり台所へ向かう。
いったいなんだったんだ、真琴の反応は。


「──、不意打ちすぎるだろ」


名前の言葉に顔が赤くなるのがわかる。


「まさか、俺までっ…」


名前は、ハルの泳ぎが昔から大好きだった。
だから、名前の言葉にひどく動揺したのだ。


「あーもー、あいつ可愛すぎだろ」


カランとお茶の氷が溶ける。
くしゃくしゃと髪をかく。
髪がぐしゃぐしゃになろうとも構わなかった。
とにかくもうすぐこの家に来るだろう渚と台所にいる二人に気づかれないために、今は早くこの熱を冷ましたかった。