死にゆく愛しい人へ

※ヤンデレ女体化・死ネタ



目の前に倒れている名前が美しすぎた。
私と違い、影の濃い彼女。
私は、影が薄く彼女にずっと憧れていた。
初めて目にした時からずっと。


「名前、」


そんな彼女は、私の初めての友人でもある。
そして、私の想い人でもあった。


「名前、ねえ、返事をしてください」


そんな憧れは時間が経てば憎しみへと変わる。


「…ああ、そういえば私がこの手で殺したばかりでしたね」


私の手には、名前の血がべっとりとついた包丁が握られていた。
左手で触るとまだ、生暖かい。


「名前が悪いんですよ、私の思いに気づいてくれないから」


名前の唇を手で触る。
すると、血がついた。


「名前、愛してますよ」


彼女の唇に私の唇を重ねる。
そして、血を舐めとる。
少し、鉄の味がした。
だけど不思議と甘く思えた。


「私ももうすぐ、あなたの元に向かいますから」


名前の血のついた包丁を自分へと向ける。


「そしたら、あなたは嬉しがりますかね」


勢いよく、心臓へと突き刺した。


「っ!!!あっ、名前、」


手を伸ばし、頬に触れる。
彼女はすでに冷たくなっていた。


「名前っ…」


ああ、意識が薄くなってきた。
あなたの元にもうすぐ行けますね。
そしたら、私を抱きしめてくれますかね?


その瞬間、私は眠るように目を閉じた。