あなたとなら、

あなたとなら、どんな壁があろうとも乗り越えられる気がした。


「……て、起きて、テツヤ」


ああ、愛しい声がする。
その声の主を見ようと目を開ける。


「やっと起きた。おはようテツヤ」


そこには、ふわりと優しく笑う僕の奥さんがいた。


「おはようございます」


僕はそう言いながら、名前の腕をぐいっと引っ張る。


「きゃっ」


「捕まえました」


僕の上に乗る形になり、名前は顔を真っ赤にする。
かわいいですね。


「ちょっ、離してよ!」


「いやです」


「…っ、もうその顔ずるい」


そう言って、名前は僕の胸に頭をのせる。
程よい重さが気持ちいい。


「…名前、」


「なに?」


「僕と出会ってくださりありがとうございます」


「急にどうしたの?」


名前の瞳が僕を映す。
それだけで心が高鳴るなんて僕は、彼女に溺れてるようです。


「いえ、ただ思っただけですよ」


「ふふ、変なテツヤ」


笑う君が好きです。
愛してます。


「……伝えきれないほど愛してますよ」


あなたとなら、どこまででも行けそうな気がします。
あなたとなら、どんな壁でも乗り越えられます。


「私もだよ」


幸せそうに笑う彼女に、キスをした。


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