別れの春

※月子≠主人公


ずっとずっと隣にいてくれると思ってた。
だけど…


「もう、行かなきゃだ」


羊くんが腕にはめている時計を見た。


「え、もう行くのかよ!?」


哉太が慌てて言う。
それに錫也と月子も悲しい顔をした。


「名前?どうしたんだ?」


黙り込んでいた私を不思議に思ったのか、錫也が声をかけてきた。


「いや、もうアメリカに行くのかと思って…」


「そうだよね…」


「名前に月子…」


眉を下げて悲しそうに笑う羊くん。
ああ、そんな顔させたいわけじゃないのに。
昨日、笑顔で送ろうって決心したじゃないか。


「また、会えるよね」


「名前、」


「絶対また会えるよね。会いに来てくれるよね」


涙が出てきちゃったじゃないか。
泣かないって決めたのに。


「うん。約束するよ、絶対に会いに来る」


ぎゅっと羊くんに抱きしめられる。
その、暖かさに余計に涙が出てきた。


「また、ね」


次、会う時まで。
ほんの少しの別れだよ。




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スカスカの後春をやってます。
羊くんの可愛さに萌えました(笑)