熱に魘され堕ちる

「名前」


ふと、聞きなれた声がして振り返る。
そこには、大っ嫌いなあいつがいた。


「名前」


反抗と言う名の無視をしていると、次は熱のこもった声で名前を呼ばれた。


「…っ、」


「名前、返事してください」


そう言って、彼――黒子テツヤは、私の顎に手をやり、無理矢理顔をテツヤにむけさせられた。


「っ、誰がアンタなんかにっ、んっ!?」


私の言葉を止めるかのように私の唇にキスをした。
角度を変えてキスをする。


「んあっ、んんっ」


酸素を取り込もうと口を開けると狙ってかのように舌が入る。


「んっ、んあっ、ああっ」


「ん、名前」


熱のこもった声で呼ばないでよ。
何分間してたなんて分からない。
テツヤと私の唇が銀の糸で繋がれる。


「…っ、大っ嫌い。テツヤ」


私の睨みなんて聞かないかのように彼は、笑った。


「僕は、愛してますよ名前」