高校生になり、今をときめくモデルの黄瀬涼太と幼馴染みの高尾和成と同居することにして早数ヶ月がたった。
「あ、おかえり涼太くんに和成」
「ただいまっスー!今日も部活疲れたー」
「ただいま名前。ほんとほんと。疲れたわー」
二人して、ほんのりと青春の匂いをさせている。
「じゃあ、お風呂上がってからご飯のほうがいいよね」
「そうっスねー。汗臭いままご飯も嫌っスもんね」
「そうだな」
そう言って二人は、寝室へと行く。
私はそれを見送り、キッチンへと向かった。
「ふふ、二人ともいい顔してた」
バスケが楽しいって顔。
だって全国に向けてがむしゃらにがんばっているんだもんね。
「名前」
「うきゃっ!」
後ろから和成に声をかけられ変な声が出てしまった。
「いつも、ありがとな」
「…へ?」
振り返るとそこには真剣な顔の和成の姿が。
もうお風呂に入ってきたらしく肩にタオルをかけていて、髪が濡れていた。
「…俺も黄瀬もお前には感謝してるんだぜ」
するりと優しい手つきで私の頬をなでられた。
「っ!ああああ!高尾っち何やってんスかー!!」
そこにお風呂からあがって来た涼太くんが声をあげた。
涼太くんも髪が濡れてるし。
「何って…秘密のお話?」
「ちょっ!秘密のお話ってなんスかー!!」
二人はリビングへと戻りながら口論と言う名の私には、じゃれあいが見えた。
さあ、早くご飯を作ってしまおう!
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夜になり、私たちは別々の部屋で寝る。
「おやすみ、名前」
「おやすみっス、名前っち!」
「二人ともおやすみ」
ぱたり、と部屋のドアを閉め布団に入る。
「二人にはがんばってもらいたいからな…」
さて、明日はどんな朝ごはんにしようか。
二人は運動部だからよく動くし、栄養満天なご飯にしなきゃ。
そして今度、二人がバスケしているの見たいな。
二人が輝いている姿が見たいな。
ああ、もう意識が…
目覚めたときはきっとキラキラな朝が訪れますように。
‐‐‐‐‐‐
翡翠様に提出。