何が正義で何が悪か (1/4)


そして意識を失っているエクソシスト達をしっかりと拘束し終えた俺達は、急いで幸村と柳生がいるであろう奥へと向かった。

しかし先頭を走っていた跡部が急に立ち止まり、不思議に思いみんなも立ち止まると跡部の視線を追う。



「お前等は見るんじゃねぇ!!」

「は?なに言って…っ!?」

「な、なんだよ…あれ…」



しかし跡部の叫びも空しく、そこにいた全員が跡部が見るなと言った意味を理解してしまった。

吐き気を催す程の血の匂い。そして壁に張り付けられている悠凪の姿を見て俺達は、言葉を失った。

悠凪の身体は真っ赤に染まり、至るところにナイフやらが突き刺さっていた。そして悠凪の身動きを封じる為の術式がバチバチと音を発てながら尚、悠凪の身体を蝕んでいた。


意識がないのかグッタリとしたままの悠凪に死んでいるんじゃないかと思った。それに未だにポタポタと血溜まりを作っていて思わず足が竦む。

だが、それは俺だけじゃない様で跡部を除いた氷帝の連中も悠凪から目が反らせず、ただ立ち尽くしていた。



「…うわぁあぁぁ!悠凪先輩!悠凪先輩っ!」

「お、おい!赤也ッ!」

「チッ、樺地と忍足は俺様と来い!他は、幸村と柳生の加勢に入れ!」



しかし、赤也は立ち尽くすどころか泣きじゃくり、悠凪の名を叫びながら駆け出してしまった。

それにジャッカルが反応するが間に合わず、すぐに跡部が指示をすると赤也を追い掛けた。

そして跡部の声に他の氷帝の連中が青い顔をしながらも術式の印を結び始めて、俺もすぐに呪文を唱えながら幸村達の元へ向かった。



「なっ…仁王くん?!貴方は、危険です!戻って下さい!」

「そうもいかんぜよ。それより、早くこやつ等をどうにかせんとじゃろ」

「…悠凪は、エクソシストの跡部達に任せるしかないしね。」

「…とにかく、さっさと終わらせるナリ」



そして氷帝の連中の加勢のお陰もあり、苦戦もせずにその場にいたエクソシスト達を制圧する事が出来た。

だが、問題はそこじゃなかった。悠凪の方へ向かって行った、赤也と跡部達の方を見るとやっと術式を解除出来たらしく樺地がゆっくりと悠凪を下ろしているところだった。

そしてそれを確認した俺等は、急いで悠凪の元へと向かった。


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