狂っていく想い (1/4)
最近、赤也と悠凪が仲がいい気がする。その理由として赤也に呼ばれたらと屋上にサボりに行ってしまう事が増えた。
じゃが、そこに俺が呼ばれる事も多かった。そして現在進行形で3人でサボっとる。
「ん〜悠凪先輩眠いッス…」
「うん?赤也寝る?」
「でも悠凪先輩と話したいッス」
「うん?そう?」
「これ、悠凪。赤也を甘やかすんじゃなか」
「うん?雅治もおいで」
真田がいない事を良いことに悠凪に抱き付いたり、膝枕してもらったりしている赤也に頭を抱える。
しかも悠凪は、頭を傾げながら俺を呼んだかと思ったら俺にくっついてくる。
正直、なにをしとるんじゃ。と突っ込みたくなるが悠凪が嬉しそうな笑みを見るとなにも言えなくなる。
「雅治?いっしょ」
「ん、わかってるぜよ」
「……………」
「なんじゃ、赤也?ヤキモチかの?」
その様子を悠凪に膝枕をしてもらっていた赤也がなんとも言えん顔で見ていた。
最近の悠凪は、俺によく"いっしょ"と言う。理由として俺と悠凪が悪魔だかららしい。
そんな事を考えてるといきなり赤也が体を起こすと俺を真剣な目で見てくる。
「なんじゃ?」
「…仁王先輩。お、俺っ…」
「…お、おぉ?どうしたぜよ?」
「赤也?いうの?」
「い、言うッス!仁王先輩!お、俺…吸血鬼なんスよ…そ、そんで…」
「…ほう?吸血鬼じゃったんか」
いきなり、魔隠付けないで現れた悠凪よりは、驚かなかったが…正直、意味がわからんかった。
赤也が吸血鬼?
いや、でも最近の2人の仲の良さを見れば悠凪が仲間として赤也に気を許してる証じゃろうし。
「いや、でもホントにちょっとッスけど…。仁王先輩は…」
「半分悪魔ぜよ。匂いじゃろ?」
「…いや、正確に言うと血の匂いッスね。てか、驚かないんスか?」
「いや?十分、驚いとるよ」
「全然そうは見えないッスよ!」
少しだけ気まずそうにうつ向く赤也の頭をポンッと撫でるとバッと顔を上げる。
黙ってたのは、お互い様じゃしな。それに幸村や俺が気付かないくらいじゃし、ホントにちょっとなんじゃろうな。
まぁ、幸村は吸血鬼の魂の色とか見たことないから知らないって言ってたしの。
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