ふらりゆらりの感情 (1/4)


「些か信じられませんね」

「…エクソシスト…嫌い」

「…………」

「まぁ、落ち着けって…」

「ふーん…面白いね」



あの後、すぐに紅を連れて屋上に来た俺達は柳生とジャッカルに先程あった出来事を伝えた。

そして冒頭に戻るわけじゃ。

昨日斬られたのを根に持ってるのか警戒している様子の紅に今にも斬りかかりそうな柳生。

そんな二人を心配そうに見つめるジャッカルに記録中の幸村。



「でも紅がブン太を守ったの事実だよ。あの距離じゃまず気付かないだろうし」

「じゃあ聞きますが、貴女は何故丸井くんが狙われてるとわかったんですか?」

「エクソシスト…キライ」

「柳生、嫌われとるのう」

「まぁ…いきなり斬りかかったしな…」

「………………」



プイッと顔を柳生から反らすと何故か俺の元へ逃げてくる。

それを見て幸村が嬉しそうに笑っているが柳生が紳士キャラ崩壊するレベルの顔でこっちを睨んでいる。

紅は、そんな柳生を無視して俺の背に隠れるとニコリと笑った。



「ふふっ…仁王は、随分と好かれてるね。さすがインキュバスって感じ?」

「これ、やめんしゃい」

「あたしに魅惑、効かないよ?」

「お前さん知っとったんか!」

「うん?匂いでわかるよ?」



幸村の言葉になんの躊躇もなく答える紅に頭を抱える。

まぁ、混血種ってのはバレてるみたいじゃったが…まさかインキュバスってのもバレてるとは思わんかったぜよ。

キョトンとした顔で俺の背中から顔を覗かせる紅は、癖の様にまた頭を傾げる。



「じゃあ俺から質問ね。ブン太が魅魂ってわかったのはいつ?」

「教室に入った時?匂いでわかったよ」

「つまり、すぐに気付いたって事じゃな。なら術式の意味がないぜよ」

「でも普通はわからないと思うよ?」

「じゃあなんでブン太は、狙われてたのかな?紅は、なんでだと思う?」

「あのね?術式?でわかるよ?」



紅の話は、こうじゃ。

悪魔は、魂の匂いで美味しさを見極めている。そして悪魔は、その匂いを基本的に覚えているらしい。

だから自分の好みの味は、こんな匂いだったから…この魂は匂いが似てるから喰いたいといった感じでループするらしい。

しかし術式で魂を隠されると匂いは、ガラリと変わるし。普通の人間の魂とは少しだけ違う匂いになると話した。


でも上級?悪魔くらいになると術式で隠してる匂いだって気付くやつもいると思う。と言った。


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