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暫くして跡部がなんかの箱を持って戻ってきた。
そして未だにぐったりとしたまま寝ている悠凪の近くに座ると箱から注射針の様なものを取り出した。
「跡部、もしかして輸血でもするの?」
「こいつが吸血しねぇって言うなら、無理矢理体に流し込むしかねぇだろ」
「な、なら俺の血でお願いします!多分、普通の人間よりは悠凪先輩の体に馴染むと思うんで…」
「…お前、体重は?」
「え、60前後ッスけど…」
「よし、座れ。時間が惜しい」
結果的に半分が悪魔の俺も協力する事になり、手慣れた手付きで跡部が俺と赤也から血液を抜いた。
それにしても跡部は、なんでも出来すぎじゃろ。
ちなみに赤也が注射針に怖がっていた。お前さん、1/4吸血鬼のクセに…やっぱり赤也は赤也じゃのぅ。
そして悠凪に輸血をし始めるとゆっくりと跡部が立ち上がった。
「これで少しは、マシになるだろ。幸村、今の内にヒストリーログを見せろ」
「仕方ないなぁ。ほら」
「赤也、大丈夫か?」
「ちょっとクラクラするッス…」
「じゃろうな。俺もいるんじゃき、無理して量増やさなくてよかったじゃろ」
「だって俺…こんくらいしか役に立てないッスもん」
うぅ〜と唸りながら頭を押さえている赤也の頭を撫でる。
跡部に無理を言って少し血の量を多く抜いて貰った結果、赤也は貧血で顔色が悪くなっている。
赤也は、赤也なりに力になろうと頑張っとるし。別に無理せんでええんじゃがのぉ。
それに悠凪もこんな顔色が悪い赤也を見たら悲しむぜよ。
「…チッ。俺様の管轄外にしろ、こいつ等エクソシストをなんだと思ってやがる」
「さぁ?とりあえず、一般人に手を出してる辺り低俗な悪魔と同じだと思うけど」
「それで、今後どうするつもりだ?このままじゃ、お前等だけじゃ手に負えない事態になるぜ」
「どうするもなにも、俺等は俺等で悠凪を守るよ。簡単に見捨てられる訳ないだろ」
「お前や仁王だけならまだしも、お前んとこには魅魂持ちの丸井がいるだろうが」
「丸井には、柳生とジャッカルが付いてる。それに最悪、エクソシストに保護して貰う事も出来るだろ」
そして相変わらず、跡部と幸村は今後の悠凪について話しとる。
もちろん、俺と赤也も聞いてはいるが話には入らない。と言うのも、口を挟めないだけなんじゃが。
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