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そして幸村は、すぐに拘束されている全てのエクソシストのヒストリーログを見ると俺に行くよと言うとスタスタと歩いて行く。
「後始末は、手伝わなくていいんか?」
「あれは、エクソシストの仕事でしょ」
「そ、そうかもしれんが…」
「それに跡部にヒストリーログ見せなきゃだし、なにより悠凪が心配だからね」
「赤也も心配じゃしな」
そして移動しながらヒストリーログを見せて貰ったが、なんと言うか…本当にクズじゃな。
悠凪を見付けたのは、たまたま見たいじゃったが…悠凪と赤也を襲った奴は、ただこやつ等に脅されていた一般人じゃ。
じゃから、悠凪も警戒をしていなかった。急に襲われた赤也と人を刺した事に動揺していた一般人を後ろから始末したエクソシスト達は、赤也を盾にして悠凪を拘束した。
そこからは、ただただ不快じゃった。ゲラゲラと下品な笑いを発しながら悠凪をいたぶっていた。
「悠凪は、見知らぬ一般人まで助けてたんだね。なんて言うか…本当にバカだよね」
「いくら、赤也を刺したと言っても殺気はなかったんじゃろ…だから敵じゃないって思ったんじゃろうな」
「だからって、逃げ出すチャンスなんていくらでもあったはずなのに…」
「あやつは、自分のせいで赤也があぁなったと思っとる。じゃから、自分が逃げ出すとまた赤也に被害が及ぶと思ったんじゃろ」
「うん、それもわかるけどね。でも悠凪は、素直過ぎる上に自分を犠牲にし過ぎ」
だから、その辺もしっかり教えないとこっちの身が持たないよ…と悲しそうにそして悔しそうに笑う幸村になにも言えなくなる。
それに悠凪は、何故か極力自分の能力を使わない様にしている気がするからのぅ。もちろん、使う理由がないのかも知れんが…
こんな奴等くらい一瞬で動けなくするくらいなら出来るはずなのにそれもせずに大人しく捕らえられとるのがわからん。
幸村には、あぁ言ったが…いくらまた赤也になにかあるかもしれないとしても…やっぱり不自然じゃな。
「幸村、おせぇぞ。さっさと出せ」
「人数が人数だったから仕方ないだろ。悠凪は?」
「今は、回復と再生に専念する様に寝てる」
「幸村部長…悠凪先輩がありがとうって…迷惑掛けてごめんって言ってたッス」
「…そう。それで赤也?お前は、なんでここに来たの?ちゃんと説明してくれるよね」
赤也の言葉に赤也に寄り掛かる様に寝ている悠凪の頭を優しく撫でる幸村だったが、ニコリと笑うと赤也の方を向いたのだった。
(えと…柳生先輩達に吸血鬼って話して…)
(うん。それで?丸井は?)
(真田副部長と柳先輩といるッス…)
(なるほど、柳生の手配かな。で、来たの?)
(ウィッス…。俺、役に立てないけど…)
(まぁ、確かにね。でもお前の血で悠凪は目を覚ましたんだから)
(…幸村部長、俺も強くなりたいッス)
(それはどういう意味で?)
(悠凪先輩を…守りたいッス)
(うーん。お前には無理じゃない?)
(…これ、幸村)
(ごめんごめん。まぁ、考えておくよ)
(……はいッス)
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