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くっ、この俺がここまで色んな意味で取り乱したのは初めてかもしれんのう。
俺に抱き付くように擦り寄る悠凪は、雅治は撫でてくれない?と頭を傾げていた。
これ、赤也やブンちゃんだったら絶対に大変な事になっとるぜよ。
「悠凪がちゃんとワンピース着たら撫でてやるナリ」
「うん?なら着る」
「お前さんは、もう少し警戒心というかなんというか…無防備過ぎぜよ」
「うん?なにが?」
「まぁ、素でそれだから余計に困るんじゃが…」
…あーもうなんなんじゃ。
そして俺に言われた通りにワンピースに着替えると撫でてくれる?とまた頭を傾げた。
本当に可愛いやつじゃのう…
よしよしと優しく頭を撫でてやると、悠凪は嬉しそうに笑った。
ちなみにワンピースを着てから制服のスカートを脱ぐように言ったから、下はギリギリセーフじゃ。
「雅治?んっ」
「……それも幸村直伝かの?」
「うん?精市がしてって」
「あやつは、本当に何を考えとるんじゃ…」
「雅治はキライだった?」
「いや、そういう意味じゃなくてじゃな…あーもうお前さんは素直過ぎじゃ!」
悠凪の頭を撫でていたら、頭を傾げながらちょんちょんと俺の制服を引っ張ったかと思ったら悠凪が俺の頬にキスをした。
もう幸村は、何を考えとるじゃろうか。悠凪でなにをしとるんじゃ…あやつは…
足りない?と頭を傾げる悠凪に正直頬じゃなくていいとは言えず大丈夫じゃと言うとよかったとまた嬉しそうに笑った。
「あーもう早いとこパスタ作るぜよ…こんなんじゃ俺の身が持たんナリ」
「うん?つくる」
「はぁ…お前さんは、本当に色んな意味で毒じゃな」
「どく?雅治どくになったの?直すよ?」
「そういう事じゃないナリ。まぁ、悠凪はそのままでもいいんじゃがの」
大丈夫?と不安そうに頬に触れる悠凪は、やっぱり素直というか純粋じゃ。
別に身に危険が及んでる訳じゃない事を伝えるとまた頭を傾げた。まぁ、悠凪からしたら意味がわからんじゃろうしの。
それにしてもこやつ、真っ白じゃな。余り日の光が得意じゃないのもあるんじゃろうけど…髪も銀髪じゃし、今日に至ってはワンピースまで白じゃし。
吸血鬼や悪魔ってよりは、天使に近い気がするとか考えとる俺は、どうやら頭がおかしくなった様じゃ。
そして早いとこパスタを作ろうと悠凪の手を引いてキッチンへ向かった。
(悠凪は、キノコやりんしゃい)
(うん?がんばるよ)
(食べやすい小ささにするんじゃよ)
(うん?これでいいの?)
(…これ、爪を長くして切るんじゃなか)
(ブン太いないけどだめなの?)
(軽く手で千切れるからやってみるナリ)
(うん?あ、きのこ取れた)
(その調子じゃ)
(雅治きのこたべる?)
(いや、それまだ生じゃ)
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