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無駄に買っても悠凪は、料理をしないから悪くしてしまうので食べる分だけ買う。

まぁ、悠凪は色々と器用じゃから料理くらいぱぱっと出来るんじゃろうけど、多分やらんからのう。

そしてパスタの材料と大量の葡萄を購入した。当分は、悠凪の食べ物は葡萄になりそうじゃな。


買い物を済ませて悠凪の住むマンションに着き、いつもの様に部屋に通される。

最低限の家具しか置いてない殺風景な部屋じゃ。しかし、ブンちゃんや俺がたまにキッチンを使うので調理器具は充実してなりする。

そしてキッチンに材料を適当に置いてカバンを置きに行こうとリビングに視線を向けて、思わず目を見開く。



「これこれ…俺がいるのに制服脱ぐんじゃなか」

「…うん?だめ?」

「前にも言ったじゃろ?誰かといる時に着替えるなら寝室に行きんしゃい」

「…でもすぐおわるよ?ほら」

「これ!脱ぐんじゃなか!」



何故か頭を傾げながら脱ぎ掛けだったワイシャツを脱ぐ悠凪に慌てて止めに入るがなんの意味もなく、上は下着で下は制服というなんとも言えない格好になった。

そしてなんの躊躇もなくスカートに手を掛ける悠凪の腕を掴みそれを止めるとキョトンとした顔をして頭を傾げた。

いくらなんでも辛いぜよ。さすがに生殺しは勘弁じゃ。

見た通りかなり悠凪は華奢だが、それなりにスタイルはいい。それに身長差により悠凪は上目遣いじゃし…なんか色々と困るぜよ。



「…ん、ん?だめ?」

「これ、セルフで魅力使うんじゃなか…」

「うん?魅力使ってないよ?雅治はこの格好キライなの?」

「いや、嫌いどころか好きじゃが…そういう事じゃないナリ」

「ん?…ならこの格好でいる」

「いや、ダメじゃ!ほれ、ワンピース着んしゃい」



何故か嬉しそうに笑う悠凪に色々と大変じゃ。とりあえず、近くに悠凪が出して来たと思われる真っ白な無地のワンピースを悠凪の頭に被せるとまた頭を傾げた。

あぁ、もうこやつ可愛いのう…
あざとい、あざといぜよ…

魅力が武器のインキュバスのくせになんで魅力も使っとらん相手にこんな気持ちになるんじゃ!



「ん、ん〜?雅治だっこ」

「な、なんでじゃ!?」

「なにかあったらだっこって言えばいいよって精市に言われたから?」

「なにを教えとんじゃ幸村!って…これ、猫じゃあるまいし擦り寄って来るんじゃなか!」

「…精市は、あたま撫でてくれるよ?」



幸村は、なんて事を教えとるんじゃ!悠凪は、純粋に幸村を信頼してるし何より慕っとる。つまり、幸村の言うことは基本的になんでも信じてしまう。

それを知ってるクセにこうして悠凪に誤った知識を与える幸村は、鬼畜である。


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