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なんでかわからないけどいつの間にか、悠凪先輩を抱き締めてた。
ホントになんでだかわからないけど…悲しそうに笑う悠凪先輩を見てたら体が勝手に動いてた。
「赤也?」
「…悠凪先輩って…悪魔でもあるんスよね?」
「うん?半分らしいよ?」
「…柳生先輩とかジャッカル先輩がエクソシスト?とかいうのも知ってるんスよね?」
「うん、斬られたから」
「き、斬られたっ!?だ、大丈夫なんスか!?え、マジで!?」
悠凪先輩の発言に思わず先輩から体を離すと、相変わらず頭を傾げる。
いやいやいやっ!
斬られたって…えっ!?
俺は、あんまり詳しくないからよくわかんないけど…エクソシストに斬られたら死ぬんじゃないの!?
しかも、柳生先輩かジャッカル先輩に斬られたって事だろ!?ま、マジでか…。
「あたしすぐ死なないよ?」
「い、いや…そうじゃなくって…誰に斬られたんスか?」
「ん…ジャッカルじゃない」
「あ、そうッスよね…」
まぁ、ジャッカル先輩は優しいから。うん、なんとなくわかってたけど…やっぱり柳生先輩だったのか。
そう言えば、悠凪先輩って柳生先輩と全く話さないし、むしろ避けてたような気がするし。そういう事だったんだ…
じゃあ…俺が吸血鬼って知ったら俺も柳生先輩に斬られんのかな。
「赤也は大丈夫だよ?」
「え、なんでッスか?」
「悪魔じゃないから?」
「…で、でも吸血鬼ってエクソシストの始末対象って聞いたッスよ?」
「うん?そうなの?ならあたしが守るから」
そう言うと悠凪先輩は、ニコリと笑う。なにから守るんだろう…エクソシストの柳生先輩達から?それとも違うもの?
てか、さっきから悠凪先輩…俺の心読んでね?あれ、なんでだ?
声に出てないよな?あれ?
「テレパシーでわかるよ?」
「え、えっ!?」
「赤也なにが知りたいの?あたしでいいなら教えるよ?」
「あっ…えと、なんつーか…俺どうしたらいいかわかんなくって…周りに吸血鬼とか言えねぇし…」
「さみしい?こわい?」
悲しそうに笑う悠凪先輩は、ゆっくりと俺の頬に触れたかと思うとそのまま俺の唇に触れるとニコリと笑った。
そしていつもの無表情に戻ると"ただの人間になりたいなら血を吸わせて?と頭を傾げた。
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