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悠凪先輩の格好は、もう夜も遅いのに真っ黒なワンピース1枚だ。

しかも先輩は、綺麗だし。
普通に危ないと思うんだけど…

って、そんな事じゃないんだよ!



「悠凪先輩っ…!」

「うん?」

「うっ…あ、あのっ…」

「赤也?」



不思議そうな顔をする悠凪先輩に言おうか迷う。でもこんな時間に呼び出しといて世間話だけする訳にはいかない。

しかも…俺バカだし、誤魔化したり遠回しに伝えたり出来ない。ましてや、仁王先輩や幸村部長みたいに言葉巧みに相手から言わせる事なんて死んでも出来る気がしない。

あぁ…もうっ!



「悠凪先輩って…に、人間ですか?」

「うん?あたし?」

「アハハッ…すいませんッス。変な事聞いて!人間じゃないならなんだよって話ッスよね!」



どんな聞き方だよ!
悠凪先輩キョトンだよ!

いつもキョトンとしてるけど、いつも以上にキョトンとした顔をしてる様に見えるわ!

てか、この反応って…もしかして俺の勘違いなのか?

いや、でも…



「吸血鬼と悪魔だよ?」

「……えっ?」

「ん?吸血鬼と悪魔なの」

「え…悠凪先輩?」

「赤也?吸血鬼だよね」



ドクンッドクンッと心臓の音がうるさい。ジィッと俺を見つめる悠凪先輩から目が離せない。

悠凪先輩が吸血鬼と悪魔?

…あれ?俺が思ってたのと違う。いや、半分合ってるのか?え、あれ?ヤバいよくわかんねぇ。

しかも俺が…



「…吸血鬼って知ってたんスか?」

「うん?匂いでわかるよ?」

「俺っ…弱いのに…」

「うん?ちょっと吸血鬼だね」

「そこまで知ってて黙ってたんスか…」



どうやら、悠凪先輩は全部知ってたらしい。無駄に冷静な悠凪先輩のおかげでなんだか俺も冷静になってきた。

俺は、悠凪先輩が言う通り本当にちょっとだけ吸血鬼の血が混じってる。

で、なんで俺が悠凪先輩が吸血鬼ってわかったのかは先輩の血を舐めたから。

最初、血の匂いがちょっと特殊で人間じゃないってわかったんだけど…血の味で吸血鬼ってわかった。



「じゃあ仁王先輩が悪魔な事とか…知ってるんスか?」

「うん?雅治は半分悪魔だよ」

「俺が吸血鬼なの気付くくらいッスもんね。じゃあ仁王先輩には…」

「うん?言ってないよ?だから赤也が吸血鬼なのみんな知らないよ?」



頭を傾げながら少しだけ悲しそうに笑うと俺の頬に触れる悠凪先輩にドキンとする。


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