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最終的に紅と柳生は、しくよろする事はなく、なんとも言えない空気だったが…ジャッカルとは、しくよろ出来たみたいじゃった。
ちなみに紅は、今俺の隣を歩きながらキョロキョロと周りを見渡している。
「そんなキョロキョロしとると転ぶぜよ」
「うん?道を覚えてるの」
「あー、お前さんは転校してきたばっかりじゃったな。てか、お前さんどうやって学校入ったんじゃ?」
「入試?やったよ。簡単だったよ?」
「意外に普通じゃな。金とはどうなっとるんじゃ?」
「お金はいっぱいあるよ?」
どうやら、財産はあるらしくお金は腐る程あるとの事。
そして隠れ家は、学校の近くだよ?と頭を傾げた。
まぁ、普通に生活はしとるみたいじゃな。さすがに外で過ごしとるとか言い出したらどうしようかと思ったが。
「てか、お前さん何も知らないって知識がないのか?」
「ん?ん…?多分、記憶?がなくなったかな?」
「多分ってなんじゃ」
「うん?途切れ途切れの知識がないの。だからわかるものもあるし、わからないものもある」
「なるほどのう…」
なんとなく言動がおかしかったのは、記憶障害だったからか。それにしても入試が簡単だったって…頭はいいんじゃなこやつ。
でも記憶がなくなったってどういう事じゃ?やっぱり、エクソシストにされた事が原因なんじゃろうか。
火の中に入れられたって、つまりは火炙りじゃろ?いくら、吸血鬼と悪魔の混血種だからって痛みはある訳じゃ…
チラリと隣を歩いている紅を見ればん?と頭を傾げる。
しかもそれを何度もとなれば意識どころか記憶が吹っ飛ぶのもわかる気がする。
「のう、紅?」
「ん?」
「お前さんは、食事した事あるんか?」
「ん?記憶の中では、ないかな?ずっと変な部屋に閉じ込められてたから」
「なんでそんな事をされたんか理由は、知らないんか?」
「吸血鬼?だからとか特別な悪魔?だからとか言われたかな?」
ホントに記憶が曖昧なんじゃなぁ。つまり、紅が珍しい吸血鬼でしかも悪魔との混血種だからエクソシストが実験してたってところかの。
それは、エクソシストが嫌いになるわな。いや、嫌いってレベルじゃないじゃろ。でも攻撃してきた柳生にやり返す事はしなかったし…
ホントに変な奴じゃな。
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