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紅の後を付いて来たは、いいが…あやつ脚が速い。
しかも今は、授業中じゃき。
バレない様に走る俺等とは違って忍者か!と突っ込みたくなるくらい静かに走る紅。
そして校庭に出ると紅が足を止める。そして体育の授業を楽しそうに受けているブンちゃんをジィッと見つめる。
「見られてる」
「ごめん。ちゃんと説明してくれる?」
「悪魔?がブン太を見てる」
「それは本当?」
「うん。あたし食べてくる」
「…は?」
そう言うと紅の瞳が赤く染まる。そしてニコリと笑うとその場からいなくなる。
さすがの幸村も驚いている様で言葉を失っている。
と言うか、ブンちゃんが見られてるって事は悪魔がブンちゃんの存在に気付いたって事か?
それは、不味い。
すぐに柳生に連絡をしようと携帯を手に取るがそれを幸村が止める。
「お前、一応悪魔だよね?」
「まぁ、そうじゃな」
「魔隠がないなら彼女の気配くらい追えるだろ?行くよ」
「…お前さん、悪魔は殺せんのに行くんか?」
「殺せないからって俺が死ぬわけじゃないだろ?それに仁王がいるし」
あぁ…やっぱり幸村に話すんじゃなかったと後悔しつつ、紅の気配を探し、魂と心の匂いを思い出しながら幸村と学校を出た。
しかしすぐに紅は、見付かった。学校の近くの廃ビルに紅はいた。
4人組の男と一緒に。
「お、また仲間だぜ」
「いや、あいつ死神だろ。チッ…なんで死神がいんだよ」
「エクソシストがいねぇだけいいだろうが。で、お前等もあの魅魂狙ってんの?」
「あげない」
「はぁ?お前さっきからなんなんだよ?悪魔なら魅魂欲しがるのは普通だろ」
「いらない」
紅の様子がおかしい。いや、元からあやつのおかしいが…あからさまに敵意を向けている。
しかもあやつ等…俺と同じ混血児じゃ。なのに、魅魂を欲しがっとるんか?半分人間なのにか?魂を食うつもりか。
「邪魔するなら死ね!」
「死なない、よ?」
「動けなくなるやれ!」
面倒臭くなったのか一斉に飛び掛かってくる男達に俺と幸村も構える。
しかし一向に男達は、こちらに来ない。それどころかバタリバタリと次々と倒れていく。
それを確認すると紅がゆっくりと男達に近付き、そのまま腕に噛み付いた。
(お前さんなにしとるんじゃ)
(…?食べてる)
(血を吸ってるって事かな?)
(うん。よくない血)
(よくない血?)
(すごい不味いけど食べてるの)
(…魂の色が変わった?)
(みんなこれでいい子)
(邪の匂いがしなくなったぜよ)
(魂食べない子になった)
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