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腕で腹を貫かれたままの悠凪は、凄まじい殺気を出したまま自分の腹を貫いているルシファーの腕を掴んでいた。



「ふふ、戻って来るの速過ぎだよ。まだ半分も殺せてないのに」

…絶対に許さない

「あぁ、悠凪のその眼はいつ見ても綺麗っ…っ!悠凪っ…やめろ!」

あたしが…あたしがいるから…

「なっ…悠凪せんぱい、だめッス!」



ルシファーの腕が悠凪の血で真っ赤に染まっていく…いや、あれは侵食というべきか。

珍しく焦っているルシファーが必死に魔術を発動させるが悠凪がそれを許さないと言わんばかりに悠凪から滴る血液がルシファーを縛り付ける様に纏わりついた。

赤也には、それがどういう状況なのかわかっているのか泣きながら悠凪の元へ飛んで行く。



「…あかや、なかないで」

「っ…ダメッスよ!それっ…悠凪せんぱいの血がっ…」

「…赤也、手だして」

「な、なんでっ…悠凪せんぱい…こんなの、ダメッスよ」

「…あかや、ありがとう。これでみんなの事、助けてあげてね」

「っ、悠凪っ…貴様っ…ぐっぁ…」

「赤也…離れて」

「…、…っ!」



バッと赤也が悠凪から離れると真っ赤な球体がルシファーと悠凪を包み込んだ。

それを見るなり赤也は、ボロボロと泣きながらも未だにピクリとも動かない仁王と跡部の元に向かった。

悠凪とルシファーを飲み込んだ真っ赤な球体が段々と侵食される様にゆっくりと黒く染まっていく。

…あぁ、あの真っ赤な球体は…悠凪そのものなのか…だから赤也はあんなに、

ボロボロの体に鞭を打って立ち上がり、ゆっくりと真っ赤な球体に近付き球体に触れるとそのまま中へと引き摺り込まれた。

球体の中はヤケに温かくてまるで真っ赤なお湯に浸かってる様な気がした。



せい、いち…なんで…?

「悠凪をひとりにしないって言っただろ…」

…せいいち、…死ぬよ?

「そのつもりで来たからいいよ」

…ごめん…ね?…あたしが…



球体の中には、水に浮かぶように悠凪が佇んでいた。

周りを見渡してもルシファーの姿は見えないのはなんでなんだろうと思いながら、ゆっくりと悠凪に近付き頭を撫でると静かに涙を流した。






(に、仁王先輩っ…!!)
(っ、…あか、やか?)
(よかった…間に合った…)
(まずは、この状況をどうするかだ…)
(跡部さんもさっきまで死んでたんスから無理しない下さい)
(うるせぇ…言ってられるか)
(赤也、幸村は…どうした?)
(…悠凪せんぱいの中にいます)
(ど、どういう事じゃ…)
(おい、俺等にも説明しろぃ…)
(おまん等よく生きとったな…)
(…赤也が守ってくれたんだよぃ)
(氷帝の奴等も動けねぇ奴ばっかりだけどみんな生きてるぜ…)
(…そうか、世話掛けたな)

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