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暫くして、エクソシストの最高位がルシファーに叩き落とされた。それを見てもなにも感じないくらいには、感覚が麻痺していた。

数えるのも嫌になるくらい周りは無惨な死体が転がってて、回収してくれと言わんばかりに死体から魂を浮いている。

こんな惨状に人間のブン太達は、よく気が狂わないなぁ…とか呑気な事を考えていた。

やっぱり生きるのに必死…だからなのかな。


そんな事を考えているとピシリと空気が凍り付いた。

この感じは、ルシファーの殺気だと気付いた時には激しい爆音と共に目の前が真っ黒になった。

瓦礫の下敷きになり掛けたらしく残り少ない魔力で俺の為に仁王が必死に防壁で瓦礫を受け止めていた。

状況がわからないがゆっくりと瓦礫から体を抜くと仁王が安心した顔をした。

その瞬間、凄まじい殺気に襲われたかと思ったら仁王が俺に背を向けた…

その仁王の背中から何かが…何かが突き出ていて、俺の目の前が真っ赤に染まる。



「…はい、次」

「に、仁王っ…!テメェ!!…っぐあっ」

「…邪魔だよ、全員殺さなきゃならないんだから」

「…ゆ、幸村部長っ!!」

「…キミは…あぁ、悠凪の…キミが一番許せないな。後で一滴残らず血を抜いてやるから待ってなよ」



何が起こったのはわからなかった。血溜まりに横たわる仁王と跡部はピクリとも動かなくて、俺を守るように立ち塞がる赤也も既にボロボロだ。

周りを見渡せば倒れてるのは、仁王と跡部だけじゃなかった。


辛うじて生きているみたいだけど、ほとんどのエクソシストと悪魔が地に伏せていた。その中でこうして動き回れる赤也は、やっぱり…吸血鬼なんだと思った。

ルシファーの攻撃を紙一重で避けている赤也は、逃げて下さいと必死に俺に声を掛けているが上手く頭が働かない。



「…っ、うがっ、…幸村部長っ!!」

「ふふ、大丈夫だよ。ちゃんとみんな殺してあげるから」

「…っ、さ、させねぇ!」

「まずは目障りなお前だよ」



あぁ、赤也の次は俺かなとか思ってた俺はゆっくりと目を瞑った。

しかしその瞬間、余りの殺気にバッと目を開けるとルシファーの腕が悠凪の腹を貫いていた。

い、意味が…わからない。

赤也は悠凪に突き飛ばされたのかなんなのか地面に転がって、今にも泣きそうな顔をして立ち上がるがすぐにピタリと動きを止めた。


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