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そして久し振りに学校に来た悠凪の制服姿に少し新鮮味を感じつつ、特に何事もなく昼休みになった。

強いて言えば、ブンちゃんが喧しかったくらいじゃな。



「体調はもう大丈夫なのか?」

「ん、大丈夫だよ?」

「そうか、しかし無理はするな。何かあれば言うんだぞ」

「んっん、わかった」

「ふふ、俺がいるのに無理なんてさせる訳ないだろ」

「うむ、それもそうか」



前にも似たような事は、あったが…ここまでくるともはや、悠凪が子供にしか見えん。

確かに、参謀も真田も悠凪を心配しとったが…これじゃあまるでおかんとおとんナリ。

悠凪も久し振りに参謀や真田に会えたのが嬉しいのかニコニコとしながら2人の間にぺたんと座ってゆらゆらと体を揺らしている。

そんな悠凪を天使かよとかアホみたいな事を言いながら菓子パンを頬張るブンちゃんと赤也に苦笑いしか出ん。



「元気になったんみたいで…よかったな」

「…私としては複雑ですけどね」

「そう言いなさんな」

「…まだ私は、彼女を認めていませんから」

「でも悠凪は、柳生に感謝しとるみたいぜよ」

「…はい?」

「幸村に言われて家から出れないからみんなを助けに行けない、だけどあのエクソシストがみんなを守ってくれるからあたしはいい子でいられるって言ってたナリ」

「ははっ、なんつーか…相変わらずだな」



悠凪にとって幸村は絶対で基本的に幸村のいうことはなんでも聞く。

もちろん、俺や赤也がなにか言えばそれも嫌がらずに喜んでやってくれるが、またそれとは違うからの。

幸村に家から出ちゃダメだと言われていた悠凪は俺等になにかあったらと色々と不安だったらしい。でも幸村が柳生やジャッカルもいるから大丈夫だよと説得したら、案外あっさりとそっかと頷いたらしい。

その後、あのエクソシストなら…きっとみんな守ってくれる…大丈夫と自分に言い聞かせる様に呟いてたみたいじゃが。

まぁ、あんだけ容赦なく悠凪に斬り掛かった柳生じゃから逆に任せられたって感じじゃな。



「はい、赤也たべる?あーん?」

「え、いいんスか!あーん!ちょ、ちょーうまいッス!」

「ずりぃぞ!悠凪、俺は?」

「んっ、ブン太もあーん?」

「あむっ!うま!さすが悠凪だろぃ!」

「貴様等!悠凪の弁当を食うとは何事か!それでもなく悠凪は食が細いと言うのに!」

「ん?弦一郎も?あーん?」

「むっ!い、いやそうではなくてだなっ…」

「あーんきらい?」

「っ、いただこう!!う、美味いぞ!」

「んっ、よかった」



相変わらず、騒がしいメンバーとふわふわと笑みな浮かべて嬉しそうな悠凪に気が気じゃない様子の柳生。


人間・エクソシスト・死神・吸血鬼・悪魔…こんなすぐにでも壊れてしまうであろう俺達の関係に俺は酷く悲しくなった。

…みんなで仲良くなんて都合が良すぎるんじゃろうか。






(仁王くん…どうかしたんですか?)
(ん、いや…なんでもなか)
(仁王、あんまり背負い込むなよ)
(大丈夫じゃ、幸村に比べたら)
(幸村くん…大丈夫なんですか?)
(さぁな、あやつこそなんでも背負い込むからの)
(全ての責任は俺がって言ってたしな…)
(何故…そこまでして彼女を)
(種族とか関係なしに助けたいんじゃと)
(………………)
(悠凪が俺等を守ったように)

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