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今日は、珍しく幸村からのモーニングコールで目が覚めた。どうやら、今日から悠凪を学校に連れて来るらしい。

幸村の声の後ろでまさはるーおはよーなんて緩い悠凪の声に寝起きで気分が悪いのも忘れて思わず口元が緩んだ。



「え、悠凪せんぱい来るんスか!?」

「まぁ、魔力も体力も回復したらしいからの。それに家にひとりで置いとくよりいいじゃろって」

「あ、それ前に言ってたッスね」


そんで赤也と一緒に学校に向かっとる訳じゃが、最近俺は赤也と一緒に登校する事が多い。まぁ、また赤也になにかあったらって事もそうじゃが、魔術を教えてる内に赤也が前以上に懐いた感じかの。

相変わらず、柳生の事は警戒しとるみたいじゃが。

それにしても悠凪がいるからもう驚きはせんが…相変わらず、こやつの魔力も半端ないのぅ。吸血鬼じゃから、他の悪魔やエクソシストからは魔力じゃなく霊力に思われとるじゃろうが。

あの跡部さえ気付かなかったくらいじゃし。まぁ、幸村が言っとったが吸血鬼の魂の色は特徴がないらしいからわからんのも無理はないが。それに赤也は、1/4じゃからな。

じゃから、悠凪がルシファーの血を半分持ってなかったら柳生も気付かんかったじゃろうしな。まぁ、悠凪が魔隠をしとらんかったのもあるが。



「…でも悠凪せんぱいの捜索範囲かなり拡がったんスよね?」

「あぁ、跡部からの情報じゃき…間違いないじゃろ」

「登下校の時とか…大丈夫なんスか?部長強いみたいッスけど…肉体は脆いって言ってたし」

「死神は、エクソシストや人間の攻撃じゃ死なんが…悪魔の攻撃に対しては人間と変わらんからの」

「そう聞くと…幸村部長が人間じゃないって嫌でもわかるッスね」

「死神は、人間でも人外でもないからの。名前の通り死を司る神じゃからな」



神なのに悪魔の攻撃を防げない辺りが死神っぽいがの。まぁ、元から死神は人間の魂を管理する者だから当たり前か。

悪魔にも魂はあるが、別に管理する必要はないらしいしの。今は、悪魔の情報を手に入れる為に悪魔の魂も管理してるみたいじゃが。

まぁ、神と言っても寿命はあるし。肉体が滅びれば死ぬ…結局生きてる者はいずれ死ぬんじゃ。まぁ、悪魔や死神は転生する事が出来るから…なんとも言えんがな。



「幸村部長…ひとりぼっちッスね」

「…そう、じゃな」

「俺は、ほぼ人間だけど…悠凪先輩と同じ吸血鬼だし。仁王先輩は、半分人間で半分は悪魔だし…」

「赤也は、人間側か悪魔側どっちの味方か聞かれたらどっちじゃ?」

「えっ…に、人間って言いたいッスけど…正直、悠凪先輩側っつーか…」

「悠凪側…そうじゃな。俺もそれでいいナリ」



それが出来ないのが死神で…だからこそ幸村は苦しんどる。

以前、ただの傍観者っていうのもなかなか辛いんだよと言って悲しそうに笑っていた幸村の顔が浮かんだ。


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