ここで例え話です　(1/4)

ん〜なんなんだ、この空気。

すげぇ、殺伐としてません？特に精市とか精市とか精市とか。まぁ、元からじゅさと仲良い感じはしなかったし、気が合うって感じでもなかったから仕方ないのかもしれないけど。



｢ねぇねぇ、なんであんな精市イライラしてんの？｣

｢それお前が聞くのかよぃ｣

｢えっ！？まさか、あたしのせいなの！？｣

｢うっせぇな！声がでけぇんだよぃ！｣

｢そういうお前も十分でけぇけどな！！｣

｢お、お前等も落ち着けって。なんつーか、楠木は毛利さんとなんかあったのか？｣



精市に言われて一緒に練習をしてるんだけど、もはやただの試合になってる件について。ちなみに今は、ダブルスはじゅさ・柳くん対精市・仁王。シングルスは、赤也対柳生くんが試合をしている。

それで審判は弦ちゃんと早苗がやってて、ブン太とジャッカルくんがあたしと一緒に試合を観ている訳です。

それにしてもダブルスのガチ感がやべぇ。もはや、練習の域を越えてる気がするんですが…。しかも、あたしがいる意味なくね？いや、マジで。

そして少しすまなそうな顔をしながら、じゅさとなんかあったのかと聞いてきたジャッカルくんにゆっくりとジャッカルくんの方を向くと何故かビクッとジャッカルくんの肩が跳ねた。



｢なんか？んー、黙って立海からいなくなった理由とかを話したくらい？｣

｢そ、そうか。仲直り(？)したんだな｣

｢まぁ、そんな感じ。でもずっとモヤモヤしてたからスッキリした！｣

｢んで、なんで呼び方変わってんだよぃ。毛利呼びだったんじゃねぇか｣

｢あぁ、前の呼び方でいいって言われてさ。あたしは別に毛利さん呼びに慣れてきてたし、そのままでもよかったんだけどねー｣



別に詳しく話さなければ隠す必要ないし、素直にそう説明すると何故かブン太の顔が不機嫌そうになっていく。

いや、そんな顔をされても。

なんだよ、そんなにあたしがじゅさと仲が良いのが不満か。それとも昨日のあたしの態度について、まだ怒ってんのか。



｢もしかして、その事で精市もイライラしてんの？｣

｢い、いや、そういう訳じゃねっ…｣

｢少なくとも俺は、そうだけどな。すげぇムカつく｣

｢ブ、ブン太！｣

｢ムカつくもんはムカつくんだよぃ。それに素直に思った事は、言えって言ったのお前等じゃん｣

｢ブン太は、あたしにムカついてんの？｣

｢急に璃亜の態度が変わったのもムカつくけど、どっちかと言えば毛利だろぃ｣



確かに、素直に思った事を言えとは言ったが…まさかここまで素直にぶっ込んで来るとは、さすがブン太である。

んー、それにしてもあたしのせいなのか。いや、でも別にみんなをイライラさせるつもりはなかったんだが。

むしろ、昨日みたいに強く当たってないし。いつも通りのつもりなんだけどなぁ。

ていうか、みんなどんだけじゅさが嫌いなんですかねぇ？いや、まぁ…立海にいる時から部活もサボり魔だったから良い印象がないのは仕方ないけど。別に悪い奴じゃないんだけどなぁ。

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