ただ逃げてただけ (1/4)
やぁ、どうも。
何故か、修二さんと遠野さんのショッピングに付き合わされている璃亜です。
「なぁ、これなんかどうや?」
「あーいいんじゃないッスか?」
「適当かよ。つーか、お前はなんも見ねぇのかよ」
「いや、あたし無理矢理連れて来られた身ですからね!ショッピングの気分じゃないッス」
「まぁ、ジャージ姿で浮いてるしなァ」
「そう思うなら外で待たせて下さいよ!」
呑気に服を物色しながら呟く遠野さんに突っ込みを入れつつ、はぐれそうなので大人しく2人の後に付いて行っている。
ちなみに修二さんにやたらとこれどう?と聞かれているが適当に返事をしている。
ていうか、逆に似合わない服の方が少ないだろうし、自分の好きな服を買えばいいのに。
とりあえず、2人がレジを済ませている内に早苗に今の状況報告をすると何故か知ってた。どうやら、修二さんが既に早苗に言っていたらしい。まさかの計画的犯行か!
「ほな、お茶でも飲んで帰るか」
「いや、帰りましょうよ」
「ええから行くでぇ〜」
「あっ、ちょ!本当に人の話を聞かないな!それにあたしお金持ってないし!」
「あ?種ヶ島の奢りだから気にすんな」
「いやいや!そういう問題じゃないッスよ!!」
そしてさすがに担がれはしないが、修二さんに腕を引かれて本日二度目の強制連行をされたのであった。
てか、なんか修二さんがやたらと女の人に手を振られてるんだけどなんなの?しかも修二さんも笑顔で手振り返してるし。
実は、かなりの有名人とか?
いや、修二さんはテニスのプロプレイヤーらしいからそりゃあ顔はある程度知れてるかもしれないけどさ…それにしても知名度高くね?
「えぇ〜?修さん、その人ってお友達ですかぁ?」
「ん?せやでぇ」
「さすが修さんのお友達だけあって凄いイケメン…!むしろ、綺麗!」
とりあえず、修二さんが女の人に捕まり…あたしの腕を掴んでいた力を緩めたので逃げる様に遠野さんの方へ避難した。
が、なんという事でしょう。
まさかの遠野さんにも注目が!!いや、まぁ…確かにイケメンで綺麗ですからね。遠野さんは女子力ヤバイからね、仕方ないね。
しかし、そんな女の人の視線を熱くスルーする遠野さんである。さすがだ…さすが過ぎてあたしまで遠野さんをガン見である。
「おい、先行ってるぞ」
「ん?あ、ええよ〜」
「え、ちょっ…うわ!引っ張らないで下さいよ!」
そして女の人の視線から逃げる様にあたしの腕を掴んで、スタスタ歩き出す遠野さんであった。
いや、まぁ…もう突っ込みのも面倒だから素直に付いていくけどさ。
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