何もかも直球勝負! (1/4)
さすがに寒くなるからか、夕方になる前に続々と出掛けていたメンバーが帰って来た。
うん、帰って来なきゃ困るしね。でもね、帰って来て早々喧しいんだよ!どんだけですか!いや、お土産は有り難くいただきますけども!
「いーやーやー!ワイ、じゃんけんで勝ったやんか!ねぇちゃんと一緒におる!」
「確かに、じゃんけんしたけどな?それは俺等だけやんか」
「いや、まず勝手に璃亜さんと一緒にいる権利をじゃんけんで決めるってのはどうなんですか?」
「ぴよCの言う通りだC〜」
「ていうか、邪魔なんすけど。俺、璃亜さんに用があるんだけど」
「ふん…そんな事言って璃亜さんと一緒にいたいだけなんだろ…そうはいかせないよ」
いや、もうなんでもいいよ。
とりあえず、無駄に集まらないでいただきたい。むしろ、なんでこうなった!どうしたんだ!
そんな事を思いつつ、ブン太と赤也が買って来てくれた無駄にカラフルなお菓子をむしゃむしゃしていたら…
不意に金ちゃんがあたしに飛び付いて来て、あたしの手からお菓子が吹っ飛んだ。そしてそれをブン太が華麗にキャッチしたのを見たと同時に視界が揺れた。
そして物凄い勢いでワラワラとあたしの周りにいた連中が何かを叫びながら小さくなっていく。
これはアレだ。あたし、金ちゃんに担がれてるなう。もはや、意味がわからない!それに周りにいた人達もそうだったのか呆気に取られたのか追い掛けて来ないという。
「金ちゃーん!ストップ!」
「ちょぉ待ってや!」
「いやいや!待って欲しいのはあたしの方だから!」
「もうちょっとやねん!我慢してやぁ!」
「いや、なにが!?」
「誰もおらん場所や!」
「へ?意味がわからなっ…いたっ!!舌噛んだし!」
そしてまともな会話も出来ないし、仕方ないので金ちゃんに担がれたまま大人しくしている事にした。いや、また話し掛けて舌噛みたくないし…暴れて落ちてもやだからね。
金ちゃんは基本的に話を聞かないからね、仕方ないね。金ちゃんが止まるのを待つしかないよね、うん。
そして暫くしてまさに急ブレーキと言わんばかりに金ちゃんが足を止めた。いや、担がれてるけど結構な圧力来たよ。金ちゃん、あたしの扱い雑じゃね?
「後ろ誰もおらん?」
「いや、随分と前から誰もいないけどね」
「ホンマ?なら下ろすで!せやから、ねぇちゃんも何処にも行かんといてな!」
「あたしが一体何処に行くと思ってるんだ!」
そしてキョロキョロと周りを見渡して誰もいない事を確認すると、ゆっくりとあたしを下ろしてくれた。
いやぁ、さすがに千歳くんみたいに視界は高くなかったけどそれなりに怖かったよ。四天宝寺アトラクション、恐ろしいでしょう。
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