不意討ちはズルい (1/4)
ハァ…それにしても、まさか璃亜が種ヶ島達とおったとは思わなかったナリ。しかも酒まで飲んどったとは…本当に何をしとるんだか。
じゃが、羽川が騒いでない辺り特に問題はなかったみたいじゃし…まぁ、いいかのぅ。いや、璃亜の事じゃから何かしでかしてそうじゃな。
そして二日酔いのおっさんの如く味噌汁を啜りながら幸せそうな顔をしている璃亜は、相変わらず呑気じゃ。
まぁ、酒を飲んだ事は本気で反省してたみたいじゃが。
「ていうか、仁王はもっと食べろし。なんなの?ダイエット中の女子なの?バカなの?死ぬの?」
「今日は、練習がなかったからのぅ。そこまで腹は減っとらん」
「いつもだろ」
「練習がある時はもっと食べとるじゃろ」
「いや、大して変わらねぇし」
「まぁ、俺の事はいいからちゃんと食べんしゃい。璃亜は、朝飯食べとらんのじゃから」
「現在進行形でむしゃむしゃしとるだろうに!白米うめぇーー!」
「元気そうで何よりじゃが、黙って食べんしゃい」
さすがにまだ昼前じゃから人は居らんが、璃亜がいるだけで色んな輩が寄ってくるからのぅ。出来れば、邪魔はされたくないぜよ。
まぁ今日は半分以上が出掛けとるみたいじゃし、そこまでうるさくはないじゃろうが。
とりあえず、璃亜が飯を食い終わったらすぐ移動するかのぅ。下手に人が来て璃亜を連れて行かれたりしたら堪ったもんじゃないからの。
「お前さん、本当に予定はないんじゃな?」
「逆にあったらこんな呑気に味噌汁啜ってる訳ないだろうに」
「まぁ、ブンちゃん達もまさか酒の飲み過ぎで寝過ごしたとは思わんじゃろうし、普通に声掛けんで出掛けたからのぅ」
「誰と過ごそうかと悩んでいたのが嘘の様にみんないなくなっててワロタ」
「そりゃあ、体調悪くて寝とるかもしれない相手を起こしてまで連れ回そうとする輩はおらんじゃろ」
「せ、せやな」
まぁ、別に体調が悪い訳じゃなかった訳じゃが。それに運が良いのか悪いのか、俺は元から出掛ける予定がなかった(出掛ける気がなかった)からこうして真実を知る事が出来たんじゃが。
まぁ、よく考えたら羽川も別に璃亜が体調が悪いとは言ってなかったしのぅ。
とりあえず、何かと面倒な四天宝寺の連中がおらんのはいいが…何故か氷帝の連中は結構残っとるみたいじゃから気を付けんとならんナリ。
「におーにおー」
「なんっ…ぶふっ!?」
「仁王の真似」
「そんな安っぽいホクロは付いとらん」
「おいこら、ゴマを馬鹿にすんな!」
「ゴマは馬鹿にしとらん」
何故か、黒ゴマを口元に付けてドヤ顔をしている璃亜に危うく紅茶を吹き掛けた。
相変わらず、訳のわからん奴ナリ。
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