まずは落ち着こうぜ! (1/4)
大分、患部が冷えて恐る恐るジローちゃんが手当てをしてくれているが本当に手当てとかをやった事がないらしく必死に頑張ってくれてるのがわかり、ちょっと嬉しい。
「…璃亜ちゃん薬塗るよ?痛かったらごめんね?」
「うん、適当で大丈夫だから!」
「こ、これでっ…ん〜、ガーゼ乗せて…湿布貼るよ?」
「ん、いいよ」
「えと…最後に包帯で…今、持ってくるね!」
早苗に言われた事を繰り返しながら必死に手当てをしてくれているジローちゃんをうつ伏せに寝ながら見ていると、湿布を貼り終わって包帯を取りに行くと両手に色々な幅の包帯を抱えてパタパタと戻って来る。
あぁ、さすがに幅まではわからないよなぁ。
ゆっくりと起き上がり、ジローちゃんの腕に抱えられてるある包帯を指差すとジローちゃんが真っ赤な顔をしてバッと背中を向けた。
「っ、璃亜ちゃんは、後ろ向いてて!」
「えっ…アッハイ」
「うぅっ…ほ、包帯は自分で巻く?」
「え、ちょっと腕上げるの辛いから巻いてくれると嬉しいけど…あ、巻き方がわからないのか」
「う、ううんっ…!が、頑張るかC!」
なんかよくわからないけど、ジローちゃんに言われた通りに背を向けて座って、やっとジローちゃんが顔を赤くしていた理由がわかり、自分で自分をぶん殴りたくなった。
…普通にあたし上は下着のみでしたね。ジローちゃん、本当に申し訳ない。
いや、ジローちゃんだから完全に安心してたけどジローちゃんも男の子だからね。そりゃあ下着姿でドーンッて目の前に座られたら普通にビックリするわな。
今更ながらあたしまで恥ずかしいわ!ていうか、だから自分で巻く?って聞いてくれたのか!なんという気遣い!そしてそれを無下にしたあたしは、本気でバカである!!
「んっ、う〜ん…前は璃亜ちゃんが巻ける?」
「…お、おん!あ、でも下着が邪魔じゃない?
「…ん、んんんっ〜」
「ジ、ジローちゃん!そんなに唸らないで!だ、大丈夫!見えないように頑張るから!」
「…璃亜ちゃん、嫌じゃない?大丈夫?もしなら羽川さん呼んでくるC…」
「いや、こんだけ頑張ってくれてるのに嫌とかないけど!むしろ、ジローちゃんが嫌なら適当に巻くから包帯ちょうだい?」
まさかここまでジローちゃんを悩ませる事になるとは、思ってもみなかったぜ!
いや、まぁ…さすがに正面向いてはあたしも無理ですけども、背を向けてる分ならいくらなんでも見えないと思う訳で…そりゃあ恥ずかしくないって言われたら恥ずかしいですけど!状況が状況ですしね?ワガママ言える立場でもない訳ですよ。
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