本気で戦おうじゃないか! (1/4)
んん〜…おはよーございます。
昨日は、なんだかんだで総合組と過ごして…夜は夜で色々と予定を組んだりと忙しかったのでちょっと寝不足。
というのも、誰に試合を申し込むかを悩んでたんだよね。
で、悩みに悩んだ結果…
「赤也、本気で掛かって来いよ」
「んなの、言われなくても本気ッスよ!」
「絶対に赤也のメニューを増やしてやる」
「ちょ、目標おかしいッス!」
「ふふん。どんな手を使ってでも1ポイント取れればあたしの勝ちなのを忘れたか!」
「へっ、絶対取らせないッスから」
あたしは、赤也を選んだ。
正直、あたしが一番打ち合った相手だ。だから、赤也はあたしのクセとか苦手なコースとかを熟知している。まぁ、それは仁王もそうだけど…それでも打ち合いをした回数、時間は遥かに赤也が上回っている。
そ れ に だ !
あたしが1年生の中で1番赤也が強いと思っているからである。もちろん、調子に乗るから絶対に赤也本人には言ってやらないけど。
そして、いつも打ち合いをしている時みたいにお互いのラケットをカツンと合わせてから、ゆっくりとサービスラインに向かう。
「では、始めてください」
「ふふん、楠木さん初回からいい人選ですねぇ」
「他の1年を刺激するには1番の人選だろうな」
黒部コーチの声にゆっくりと相手コートにいる赤也を一瞥してからサーブを打った。
サーブについては、全てあたしからなんだけど技は禁止されてる。まぁ、サーブで1ポイント取って終わりじゃ意味ないしね。
そして赤也から鋭いリターンが返ってくるがそれをいつもの様に赤也の苦手なコースに打つと見せ掛けてフェイントのドロップショット!
が、赤也もバカじゃない。
あたしのフェイントに引っ掛かるどころかドロップショットを読んでたらしく、難なく拾われた。
さすがにあたしと何度も打ち合いをしてただけはある。
そして華麗にあたしの苦手なコースにボールを打ち返して来て、拾う事は出来たけどチャンスボールを上げてしまう。
そして赤也の容赦ないスマッシュに咄嗟に反応するが元々パワーも握力もない上にまともに構えていなかった為にラケットを弾かれる。
「っ、さっすが!赤也!」
「へへ、あざっす!でも無茶して取ると手首痛めるッスよ?」
「ムカつく!次は、返すし!」
あぁ、やっぱり握力がないから…ちゃんと芯で打たない限りまともに返せそうにないなぁ。
ビリビリと痺れている右手をぶらぶらと振りならがラケットを拾い、相変わらず余裕そうな赤也の顔をどうやって歪ませてやろうかと考えながらサービスラインに向かった。
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