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始まる前からカオス (1/4)


…あぁ、疲れた。

調子乗ってオーラ使い過ぎたかもしれんな。いや、まぁ…別にぶっ倒れはしないがマジで疲れた。

そして相手のベンチを見るとコーチ達が何か言ってるらしく、何故か女の子達がコーチ達に頭を下げていた。

彼女達は、納得してくれたんだろうか。正直、技でごり押しのかなり卑怯な戦法だったから不安なんだが。

そんな事を考えながらドリンクを飲んでいると聞き覚えのある声が聞こえて来て、嫌な予感を察知したあたしはバッと立ち上がる。



「…ぬおわっ!?」

「璃亜ー、俺とも打ってやー」

「ちょ、修さん!あかんて!」



が、時既に遅し。

急に現れたチャラチャラさんに飛び付かれて危うく転けそうになる。しかし、仁王が近くにいたお蔭で転ぶ事はなかった。

ていうか、このチャラチャラさんのジャージの着方なんなの?新しいファッションなの?訳がわからないよ。

そしてあたしに飛び付いてくんのやめてくんねぇかな。そんな長身に飛び付かれたら普通にぶっ倒れるわ、クソが。


そんなあたしの思いを感じ取ったのか、はたまた違う理由なのかあたしを支えていた仁王がチャラチャラさんを引き離してくれた。

おぉ、たまには役に立つじゃないか!

正直、ちょっと疲れてて突っ込む元気ないんだよね。



「璃亜、大丈夫か?」

「ん、おーだいじだいじ」

「いや、全然大丈夫じゃないだろぃ。まだ座ってろぃ」

「うぃーす、座ってる」

「なんや、自分ホンマに体力ないんやなぁ。勿体無いなぁ」

「いや、極自然に隣に座らないで下さい。毛利さん、早くこのチャラチャラさんを連れて帰るんや」

「いや、どこにやねん!」



まさかの毛利さんに突っ込まれる始末である。

とりあえず、隣に座ってるチャラチャラさんを無視していると女の子達と話し終わったのかコーチ達がこっちに向かって来たのでドリンクを置いてゆっくりと立ち上がる。

そんなあたしに齋藤コーチが座ってていいよ〜なんて言いながら笑っている。

いや、さすがにそれは失礼だと思うんで立ちますよ。



「あぁ〜…女の子達は納得してくれました?」

「えぇ、油断していたとはいえストレート負けですからね」

「あ、ならよかったッス」

「それにしてもこの間とは別人みたいでビックリしちゃったよ〜。テニスでオーラ使う子初めて見たしね」

「そりゃあそうだろ。普通ならバスケしてるだろうからな」



そりゃそうだ。
元々オーラはバスケで使ってたものだし。

いや、まぁ…物にする前にバスケやめちゃったから実際のオーラとは違うかも知れないけどね。


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