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近いのに遠い (1/4)


氷帝の連中と楽しそうにしている璃亜を見ながら俺や幸村も食事を始めた。

ちなみに最初こそ同じテーブルにいた璃亜じゃったが氷帝の奴等に連れて行かれて今じゃ氷帝連中のテーブルにいる。つまり残ってるのは、俺と幸村と跡部だけじゃ。



「そう言えば、お前等あいつの病気の事を知ってんのになんでマネージャーなんかやらせんだよ。あーん?」

「ふぅ…色々あってね。それが璃亜にとって一番安全なんだよ」

「あーん?どういう事だ」

「跡部には、わからんじゃろ。お前さんは、慣れとるだろうしの」

「…あーん?意味がわかんねぇよ。説明しやがれ」



幸村が渋々と言った様子でこれまでの経緯を話していく。

跡部は、派手好きでナルシストでウザいけどそれでも女子からの人気は絶大だ。

それは、中学の時からだし今も健在じゃろう。まぁ、俺等も中学から騒がれていたがあからさまに跡部と違う部分があった。

ファンクラブ及び女子の扱いだ。

小さい頃から跡部財閥の息子として周りからちやほやされて育った跡部だ。うまいこと女子をコントロールしているんだろう。だから、女子の争いがないんだと思う。

悪い言い方をすれば手懐けてる訳じゃ。そこまでする必要があるのかと昔は、思っとったが…今じゃ後悔じゃな。



「あーん?ファンクラブの奴等が璃亜を?」

「ウチのは、過激派が多くてね。本当に手を焼いてるんだよ」

「ならお前がはっきり言えばいいじゃねぇか」

「そうもいかないんだよ。今までファンクラブの事を黙認してたし、好き勝手させてたからね。俺達が璃亜に手を出すな、なんて言ったら余計にややこしくなる」



そう。今までファンクラブの事なんて気にしてなかったし気にする理由もなかった。

実際、俺等に危害がある訳じゃないと幸村も黙認してた訳じゃし。

おかしな話だ。今まで好き勝手させといた結果が守ってやりたい奴を守れなくしてる。

今まで好き勝手させてくれた俺等の話なんか聞きやしない。例え、俺等が怒ったとしても全て"璃亜"のせいになる。



「だから、璃亜は俺等をよく思ってないよ。口に出さないだけで」

「あーん?なのにマネージャーさせる意味がわかんねぇよ。つーか、なら関わらなきゃいいだろ」

「それが出来たら苦労しないよ。今、俺等が璃亜から離れたらそれこそ何をされるかわかったもんじゃないよ」



それで璃亜の身に何も起こらないと言うなら、事の重大さをやっと理解したブンちゃんや赤也だって泣く泣く承諾するだろう。

でもそんな事でファンクラブの奴等が納得する訳がない。だから、マネージャーとして側に置いて守る事しか出来ない。

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