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語られた過去 (1/4)


あぁ〜っ!面倒臭いっ!
本気で面倒臭いよっ!

あの後、とりあえず一般公開が終わりそのまま海原祭は終了した。そして後夜祭で浮かれてる生徒が大半の中、あたし達は何故か部室にいる。

しかもフリーダムで訳のわからない毛利さんとチャラチャラさんとよくわからない怖そうな人も一緒だ。

あぁっ!激しく帰りたい!
なんだったら後夜祭に出てた方がマシである。



「それで先輩方が特別強化合宿についての資料及び全国ジュニア大会の事で、わざわざ来て下さったのはわかるんですが…」

「ん〜璃亜、ここっちょい」

「さっきから毛利さんは、いい加減に離して!」

「ハハッ、毛利嫌がっとるで。璃亜こっちおいで」

「…行きませんし、こっち来ないで貰えます?」

「…全然、話進まねぇし。つーか、俺等はその資料渡して説明したら帰るはずだったんだし」

「なら早くこの2人連れて帰って下さいよ!」



なんなの、この2人!すげぇ、うざい!そこの怖そうな髭の人は、早くこの2人を連れて帰るんや!

そしてさっきからレギュラー陣からの視線がヤバイから毛利さんは、マジであたしを離すべき!後、チャラチャラさんもこっち来んな!

なんか赤也とか今にも噛み付きそうなくらい毛利さん睨んでるし!君達、知り合いじゃないのか!!



「…つーか、璃亜先輩とどんな関係なんスか?」

「ん〜璃亜、どんなん?」

「…はぁ?毛利さんは中学の時のサボり仲間で、ただの知り合っ…」

「ん…ちゃう、こない関係やで?」

「「………なっ!?」」
「なっ、なにしてんスか!?」
「キェェエェェ!!」

「なぁ、璃亜…ぐふ!」

「なっ…テ、テメェ、覚えてんじゃねぇか!!!つーか、なにサラッとしとんじゃ!殺すぞ!」

「…お〜こわっ!!」



毛利さんとの関係なんてサボり仲間で知り合い程度と説明しようとしたら、毛利さんに顎を掴まれたと思ったら小さなリップ音と共に唇に柔らかい感触がした。

そしてヘラリと笑うとどや顔で訳のわからない事を言う毛利さんの横腹を思いっきり蹴ると逃げる様に怖そうな髭の人の後ろに隠れた。

こ、このクソ野郎!!

何を隠そう、こいつがあたしのファーストキスを奪った張本人である。ちなみに次の日にはこの人、立海にいなかったからね。死ねばいいのに。



「やっぱ、急にいなくなったん怒ってるん?」

「っ…!そこじゃねぇって言ってんだろ!!」

「ちゅーの事なん?」

「っ…か、可愛く言っても可愛くねぇんだよ!つーか、意味わかんねぇ事言ってちゅーして逃げるとは何事だお前!!」

「ちゃんと説明したで?」

「してねぇよ!俺、決めたって言っただけじゃねぇか!何を決めたかすら聞いてねぇよ!」



卒業式の前日、深刻そうな顔をして訳のわからない事を言っていたから毛利さんに自分の好きにすればって言ったのは覚えてる。その後にわかった、決めたって言いながら笑うとあたしにキスして消えた。

そして次の日の卒業式に毛利さんはいなくて、新学期が始まって毛利さんが立海からいなくなったのを知った。

なんでそんな事をしたのかもわからず、文句すら言わせてもらえずに、今日までずっと顔を合わす事はなった訳だ。

・・・・・。

そしてなんか色々と思い出したあたしは、もう帰る!と乱暴に自分のカバンを掴み部室を出た。

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