護衛します! (1/4)
あぁ、今日は風が強いなぁ。
そんな事を思いながら、あたしのサボり場でもある中庭でボーッとしていた。
「ん、楠木?またサボってるのか?」
「あ、ジャッカルくんやっほー」
「やっほーって…相変わらず呑気だな」
不意に声を掛けられて声のした方を向くとジャッカルくんが呆れた様な顔をしながらこちらに歩いて来てた。
ていうか、ジャッカルくんはなんでこんなところにいるんだろうか。もう授業開始のチャイム鳴るのに。んっ!アレか、実はジャッカルくんもサボタージュしようとしてたのか!
そしてゆっくりとあたしの隣に座るジャッカルくんを見上げていると授業開始のチャイムが鳴った。
「ジャッカルくん、授業は?」
「楠木と同じだ」
「あら、珍しい!でもどうしたの?具合でも悪いの?」
「いや、気分が乗らねぇだけだ」
「まさかブン太にまたなんかされたのか!オケ!後で凝らしめとくわ!」
そんなあたしの言葉にサンキュでも違うぜと言いながら笑うジャッカルくんは、少しだけ元気がなさそうだ。
なんだ?いつもの爽やかさはあるものの、やっぱりなんか変だぞ。ジーッとジャッカルを見るが、特に見た目に変わったところはない。
うーん?あたしの思い過ごしかなぁ。
てか、普通に寝るつもりだったんだけどジャッカルくんがいるなら寝れないな。
「もしかして、邪魔したか?」
「いや、全然!」
「そうか、ならいいんだけどよ」
「ジャッカルくんなんかあった?サボるのも珍しいけど、なんか元気なくない?あたしの思い過ごしかもだけど」
「…そう思うか?」
「う、うん?なんかあったの?」
参ったなと言わんばかりに頭を掻くジャッカルくんにやっぱりなにかあったのだと確信する。でも精市みたいになにか思い詰めているという感じでは、ない。
なにか悩みでもあるのかな。
そしてあーとかうーとか言いながら、あたしに話そうか迷っている様子のジャッカルくんの肩を軽く叩く。
「あたしに言いにくいならブン太にでも相談しなって!あ、いや…あいつはダメだな。なら柳生くんとか!」
「い、いや!違うって!なんつーか、よく考えたら楠木も言っても…答えにくい事だろうなって思ってよ」
「話すだけ話してみ?」
「…俺、さっき告白されたんだよ」
「お、おぉ…!それでそれで!?」
「…急に食い付いて来たな」
そんなの当たり前じゃないかーい!!
仁王やブン太みたいにしょっちゅう告白で呼び出されてるのを見てるけど、ジャッカルくんが呼び出されてるの見たことないし!まぁ、あたしが知らないだけでジャッカルくんもめちゃくちゃ告白されてそうだけどな!
しかし、あたしはそんなの全然知らないから気になるわい!!
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