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たまには悪くない (1/4)


俺が目を覚ますと璃亜さんは、まだスヤスヤと寝ていた。しかもわかちゃんの匂い〜なんて言ってくっついたまま寝たので俺の胸に張り付くように寝ている。

寝れないかもしれないと思っていたが、普通に寝てしまった自分に驚きだ。

いや、まぁ…相手が璃亜さんだからこそ安心して寝てしまったのかもしれないが。

そして時間を確認しようと体を少し動かすとそれが嫌だったのかうぅ〜…と唸りながら俺の服を掴む璃亜さんにちょっと可愛いとか思ってしまった。

仕方ないので時間を確認するのを諦めて軽く璃亜さんの頭を撫でるとん〜っと唸ったかと思ったらスリスリと猫の様に擦り寄ってきた。

…やっぱり、寝てる時は一際可愛いな。



―――
――――
―――――



暫くして璃亜さんがモゾモゾと動き出し、うっすらと目を開けた。



「起きましたか?おはようございます」

「んっ…わかちゃん、おはよ」

「まだ寝ます?」

「んん〜…今何時?」

「璃亜さんに張り付かれてたので確認出来てませんが、8時とかじゃないですか?」

「…ん〜っ、なんか寒い…」



まだ寝惚けているのか寒いと言うと璃亜さんがまた布団に潜る。確かに、未だに雨は降っている様だが…俺は寒いとは感じない。

むしろ、スウェットのせいで少し暑いくらいだ。

しかし璃亜さんは、長袖のルームウェアだがかなり生地は薄く寒さに敏感な璃亜さんからしたら寒いらしい。

一応、確認で軽くオデコに触れるが熱はない様なので、本当に寒いだけみたいだ。

さすがにさっきよりは、動けるので軽く体を起こして枕元にある時計を確認すると8時半くらいだった。




「…そんなに寒いんですか?」

「ん〜っ…ちょっとだけ」

「時間は8時半過ぎですけど…どうします?」

「…わかちゃんも寝よ」

「えっ?」

「わかちゃんいなくなったら絶対寒くなるも〜ん…」



俺は、ホッカイロかなにかか。
そして、寒い上にまだ寝たい様子の璃亜さんがベッドから出ちゃダメだと言わんばかりに服を掴む。

まるで駄々っ子だ。

でも普段から余りワガママを言わない璃亜さんが必死にここにいてと言うならそれに応えてあげたい。それがホッカイロ代わりだとしてもだ。



「わかりました。じゃあ何時に起きますか?」

「…ん〜っ、10時とか?」

「じゃあ10時くらいに起こすんで寝ていいですよ。頭ちょっと上げて下さい」

「んん〜わかちゃーん」

「はいはい、もう寒くないですか?」

「…んっ、あったかぁい」

「…ならいいです」



そして猫の様に丸まりながら俺にくっつく璃亜さんの頭を撫でた。

本当に眠たい時は、素直に甘えるんだな。そうなると、立海の人達にも甘えてたりするんだろうか?

なんて考えながら璃亜さんの寝顔を見ていた。


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