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忍び寄る狂気 (1/4)


今日は、珍しく幸村に寄り掛かって昼食後の昼寝をしとる璃亜は相変わらず幸せそうな顔をしとる。



「さて、問題の楠木が昼寝をしている内に鈴木について話すとしよう」

「仁王から軽く話は聞いたけど、実際どんな奴なの?」

「うむ、仁王が言っていた様な悪い噂はない。むしろ、好青年と認識されている様だ」

「璃亜に告った奴だろぃ?そう言えば、最近やたら俺等のクラス来てたよな」

「うむ、楠木の様子見と言ったところだろう。どうやら、俺達が近くにいる時は話し掛けたりしてない様だからな」

「なんつーか、そいつストーカーっぽくないッスか?」



赤也の言葉に羽川の顔が歪む。
確かに、話し掛けもせずにただ璃亜を見に来てるって言うならストーカーっぽいが…正直、それなら俺等テニス部のファンクラブの奴等もストーカーと変わらんの。

それになんの為に俺を足留めしたんのかがわからん。璃亜と2人っきりになりたいなら、別に他にいくらでも方法はあったじゃろうに。

しかもあの状況は、あからさまに璃亜になにかする気満々じゃった。



「うむ、中学の時から楠木に好意を寄せていたと言うのがポイントだ」

「ふふ、なるほど。急に俺等が璃亜と仲良くなったから焦ってるって事ね」

「確かに、邪魔するなみたいな事を言われた様な気がするぜよ。それにしても厄介じゃな」

「璃亜は、普通に接してんだろぃ?だったら、璃亜に忠告しても意味ねぇだろぃ」

「えぇ、間違いなく…はぁ?意味わかんないんだけどって言うでしょうね。私からも一応、気を付ける様に言うけれど…」

「しかし、今までそう言った熱烈な方はいなかったのですか?」

「居たにはいたのだけれど…その時は、雨音くんが上手く撒いてくれていたのよね」



…雨音、あやつ最強か。
なら、雨音を呼んだ方が早いんじゃなかろうか。

とか思っとったら幸村が早速、雨音に電話して呼び出しちょる。どうやら、すぐに来るらしく今から行くから待っててだってと笑うとスヤスヤと未だ寝ている璃亜の頭を撫でた。



「し、しかしっ…ストーカーとは大問題ではないのか!」

「…ストーカーって決まった訳じゃねぇけどな」

「でもほぼストーカーじゃないッスか!しかも璃亜先輩になんかしようとしてたんでしょ?」

「俺が行った時には、既に軽い壁ドン食らってたぜよ」

「それ絶対璃亜先輩に無理矢理なんかする気だったじゃないッスか!!」



いや、壁ドンなら結構色んなヤツに璃亜はされてそうじゃけどな。特に俺とか。


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