×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -

要らないメモ書き (1/4)


あの事件後というもの…基本的にあたしに誰かが付いてます。つまり、一人になれないんです。とてつもなく窮屈です。

でも心配をしてくれているという意味では、嬉しいので強く言えずにいる。



「璃亜〜どこ行くんだよぃ?」

「トイレじゃ!付いてくんなよ!」

「羽川ー!璃亜がトイレだってー付いていってやってくれぃ」

「えぇ、今行くわ」

「なんでやねん!トイレくらい一人で行けるわ!ガキか!」

「まぁ、そう怒りなさんな。みんな心配しとるんじゃよ」



うぐっ…そ、それはわかるけどさ。さすがにトイレくらい一人で行かせてくれてもいいじゃない。

あたし連れションとかするタイプじゃないし。早苗だってそういうタイプじゃない。

いや、別に早苗とトイレに行くのが嫌とじゃないんだけどさ。

あーもう…いいや。

ほら、行くよ?と頭を傾げる早苗に何も言えず素直に早苗とトイレに向かった。



「みんな過保護過ぎね?」

「そんなの当たり前でしょ」

「えー…さすがに校内じゃ何もされないでしょ。他の生徒もいるし」

「あんたホントにバカね。校内に璃亜の味方がいるとでも?敵しかいないわよ」

「あー…まぁ、そうか」

「あんたが連れ去られようが、見て見ぬフリする輩の方が多いに決まってるでしょ」



まぁ、そうですよねー。
ファンクラブのキチガイ集団は、怖いもんねー。関わりたくないもんねー。

てか、あたしも関わりたくないんだけどなー。なんで関わってくるのかなー。マジで迷惑だなー。

そう言えば、あの男子生徒達は謹慎を食らったらしいが…ぶっ飛ばした仁王にはお咎めなしだったらしい。

いや、まぁ…当たり前?なのかな。いや、でも暴力はいかんよ!スポーツマンとして!



「幸村くんが本気でマネージャーになった方がいいって言ってたよ?」

「うーん…」

「マネージャーやりたくない理由でもあるの?あんた放課後、暇じゃない」

「いや、まぁ…暇だけどさぁ。なんかその守るとか守られるとかが嫌なんだって」

「実際に守ってもらってるんだから仕方ないじゃない」

「うーん…単純に純粋にマネージャーになってくれって言うならまだやってもいいかな〜とは思うよ?」



早苗が言ってる事は、ごもっともなんだが…やっぱりその守るとか守られるってのが嫌なんだよなぁ。

実際、守ってもらってるんだから何も言えないんですが…それは。

うーんうーん…と悩みながらもトイレを済ませて教室に戻れば相変わらず喧しい。

prev|next

[戻る]