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全国大会最終日:前編 (1/4)


今日は、全国大会最終日…決勝戦だ。

き、緊張して来た。

相手は、昨日比嘉に勝利した氷帝だ。

なんだかんだで、一番交流があった氷帝なだけあってなんかドキドキがヤバい。

しかも観客席もヤバい。
合宿オールスターズじゃないか。


「ふふっ、みんなで勝ち取るよ。俺等の優勝を」

「我等立海の2連覇に死角なし!気を引きめて行くぞ!」


「「「「「「おーッ!!」」」」」」

「みんな頑張ってね!」
「ふふ、私達もいるから」


全員で円陣を組んでから、あたしと早苗はみんなを送り出した。整列してる立海と氷帝になんだが既に泣きそうである。


「バカね、まだ泣くのには早いわよ」

「わかっとるわい!」

「ふふふ、みんなの背中が逞しいわね」

「いつもバカ騒ぎしてる奴等とは思えないよね」


まぁ、見送ったのはいいけどみんな1回こっちに戻って来るんだけどね。

そしてS3の仁王がラケットを持ってあたしに手招きをするので頭を傾げながらも急いで立ち上がり駆け寄る。



「ん、どうしたっ…んっ」

「頑張って来るぜよ」

「あ、それ俺もやろ」
「ちょ、なら俺もやるッス!」

「ほぅ…仁王くんが最初からやる気満々とは珍しいですね」



え?ちょ、なんだ?
なんか仁王の腕が伸びて来たかと思ったら仁王の左手の甲があたしの唇に触れた。

とりあえず、なにがなんだかのあたしに仁王は軽くその左腕を掲げるとコートに入って行った。

そしてそんな仁王の背中を眺めながら頭を傾げる。んん?今まで通り拳をコツンってやるんじゃないのか。よ、よくわからないな。



「あら、仁王くんたらっ…。ふふふ、私も蓮二にしてあげようかしら」

「それはいい。是非頼もう」

「意味がわからんのだが…」

「ふっ、それでこそ楠木だ」

「柳くん、絶対バカにしてるでしょ」

「いや、ある意味誉めてるぞ」



このバカップルめ!

幸せそうにニコニコとしている柳くんと早苗にちょっとイラッとしつつ、コートに視線を移す。

仁王の相手は、忍足らしい。

ペテン師VS氷帝の天才か。
なんか文字だけ見てたら仁王が完全に悪者だな。

どっちもよく読めないタイプだからなぁ…相性いいのか悪いのかもよくわからないな。


それになんだかんだで、あたし仁王の本気って見た事ない気がする。いや、仁王がいつも余裕顔だから気付いてないだけかもしれないけど。

後、仁王ってダブルスが多いし。


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