全国大会1日目:前半 (1/4)
全国大会1日目。
おぉ…めっちゃ人いる。
てか、凄い雰囲気に飲まれる。
ヤバい、ドキドキしてきた。
「璃亜先輩、どんだけ緊張してるんスか!なんか凄い顔になってますよ」
「う、うるさい!関東大会と違ってなんか雰囲気がヤバい!!」
「そりゃあ、全国だしな。つーか、そんなガチガチだと転ぶぜぃ?」
「璃亜が出る訳じゃないんじゃからもっとドーンと構えてんしゃい」
「いや、そうもいかない!ジャッカルくん助けて!口から心臓が出ちゃう!」
「そ、それはさすがに助けらんねぇわ…」
そんなアホみたいな会話をしていると受付を終わらせた、幸村くん達が戻って来る。
あら、凄い余裕の笑み。なんか、あたしがバカみたいじゃないか!いや、バカだけどさ!
とりあえず、開会式まで少し時間があるらしいので軽く会場を案内してもらう。
みんな、あたしが迷うと思っているからである。でも否定出来ない悲しい。
だって広いんだもん!てか、もういっその事コートに色付けようよ!そしたら迷わないよ!次は、赤コートね!オッケーみたいな。
「俺等の試合はAコートね。まぁ、俺達はシードで午後に1試合だけだから」
「まぁ、俺等と一緒にいれば迷わねぇだろぃ」
「でも璃亜先輩ッスよ?絶対、いなくなりますって」
「璃亜ちゃーーーん!」
「あ、ジローちゃんだ。てか、氷帝じゃん」
「アーン?会場を案内してるみてぇたが、随分と余裕そうじゃねぇの」
すいません!余裕とかじゃなくてあたしが迷子になるのを予想しての案内なんです。やめてください、跡部さん!
とりあえず、ウキウキ気分のジローちゃんが可愛い。相変わらず、ジローちゃんは天使だな。
あ、そうだ!こんな早く氷帝に会うとは思わなかったけど…探す手間省けたわ。
「わかちゃん、ちょいちょい」
「お久し振りです。相変わらず、バカっぽくて安心しました」
「ひでぇ!って、そんなのはいいんだよ。はい、これ!約束してたでしょ?遅くなってごめんね」
「…これ」
「合宿中に渡すつもりだったんだけど、渡すの忘れててさ。優勝するのはうちだけど、わかちゃんも頑張って!」
「フンッ、優勝は氷帝です」
「いや、立海だから!」
そんな会話をしながら合宿中にわかちゃんに頼まれていたミサンガを渡すと、ジローちゃんがズルーイ!なんて言ってた。
ごめんね!氷帝は、わかちゃんにしか作ってないんだわ。
そして暇があれば俺様達の試合を見に来な!とドヤァッと去って行く跡部くんに、相変わらずだなぁ〜と思いつつ、わかった〜と軽く返事をしといた。
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