笑顔以上の破壊力　(1/4)

休憩中の璃亜は、丸井くんや仁王くん、切原くん達と楽しそう(？)に話していてこちらとしても嬉しくなる。

病気の事でなんかゴタゴタするかと思ったけど、丸井くん達がいい人でよかった。

璃亜は、変に気を遣われるのが嫌いだからある意味いいのかもしれない。



｢楠木は、本当に不思議な奴だな。精市や弦一郎に臆せずに話せる女は少ない。｣

｢ふふっ…璃亜からしたらみんな同じだからね｣

｢お前は、怖くないのか？｣

｢ん、私？怖くないよ。だって柳くんがいるし｣

｢うむ、それもそうだな｣



柳くんは、優しい。前から委員会でフォローとかしてくれていたし、今更なんだけどね。

でも璃亜とすれ違った時に何も言わずにそばにいてくれたりして、少しだけ嬉しかった。

ミーハーでは、ないけれど…柳くんがモテるのも頷けるなと素直に思った。



｢はぁ？！お前、テニスした事ねぇの？｣

｢うん、ないよ｣

｢えぇ！？勿体無いッス！テニスめちゃくちゃ楽しいッスよ？｣

｢え、見てるだけでいいよ｣

｢いや、テニスを知るのも勉強だよ。よし、赤也と軽く打ってみるといい｣

｢ちょ、え…マジ？｣



そして何故かテニスコートに引き摺られて行く璃亜を止めようとしたら柳くんに止められた。

いや、むしろ運動が余り出来ないのをみんな知っているはずなのに止めないのは、何故なんだろうか。

私的には、璃亜に無理はして欲しくないので柳くんの制止を振り切ろうとしたのだけれど…



｢っしゃーこいやー！｣

｢あいつ急にやる気になったのぅ…｣

｢幸村くんが赤也から一点取ったらマネージャーやらなくていいとか言うから…｣

｢心配なのは、わかるが…今、楠木を止めたら羽川が怒られる確率94%。｣

｢あ、あぁ…もうっ！無理して具合悪くなっても知らないんだから！｣



柳くんがさすがにそうなる前に幸村が止めるから心配をするなと頭を撫でる。

う、うぅ…なんだか良い様に扱われてる気がする。

でも柳くんは、嘘は付かない人だし。幸村くんも信用出来る人だから…

それに等の本人である璃亜は、ヤル気満々だし。止めるだけ無駄かもしれない。



｢なぁ、羽川。璃亜はスポーツ得意なのかよぃ？｣

｢…得意って言うか。天才？｣

｢…はっ？｣

｢うーん、見てればわかるかな｣



丸井くんがパンッとフーセンガムの風船を割ると同時に切原くんの行くッスよー！という元気な声と共にサーブをした。

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