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今、静かに開幕! (1/4)


相変わらず、ジローちゃんは寝る訳でもなくただあたしに抱き付いたままだった。

そんな時、あたしの部屋がノックされジローちゃんがビクッと反応し、あたしを抱き締める腕に力が入る。

とりあえず、どうぞと言うとゆっくりとドアが開きわかちゃんとブン太が現れる。



「…………むぅっ」

「…芥川さん、迎えに来ました。そろそろ準備の時間で…」

「さっきは部屋にいねぇと思ったら、なんでジローくんと一緒にっ…」

「ジ、ジローちゃっ…ちょ」

「璃亜ちゃん、早苗ちゃんがみんなでお風呂にでも入ろうって…あ、あれ?日吉に丸井くん?どうしたの?」



一瞬、なにが起こったのかわからなかった。

だから、きっとあたしも同様にわかちゃんとブン太と同じ様な顔をしてるに違いない。

そしてそんなあたし達を見て不思議そうな顔をして頭を傾げている天龍寺さん。

しかし、そんなのお構い無しと言った様子でジローちゃんがあたしから離れ、ベッドの前に立つとふにゃっと笑う。



「へへっ…璃亜ちゃん、ありがとだC〜!」

「えっ…う、うん?」

「また来てE〜?」

「え、うん…別にいいけど」

「ありがと〜じゃあ俺行くC〜」



じゃあね〜と言わんばかりに前からぎゅーと抱き締めると軽い足取りであたしから離れて行くジローちゃんにハッと我に返る。

それは、わかちゃんとブン太もそうだった様でブン太が凄い勢いで何故かこっちに向かって来ようとする。

しかし、それをあろう事か…ジローちゃんが止めた。



「俺、いくら丸井くんでもこれは譲りたくないC〜」

「ジ、ジローくんっ…」

「っ…芥川さん、行きますよ」

「わかってるよ〜。跡部に怒られるのは嫌だC」

「え、えーと…?璃亜ちゃんは、お取り込み中だったかな…お風呂入らない?」



なんだこのカオスな空気。
何故か、ブン太の腕を掴むジローちゃんの笑顔が怖い。

正直、話してる内容はよくわからないけど…あのブン太が目を見開くくらいだから、なんか凄い事を言われたのかも知れない。

てか、さっきから首元が熱い。い、いや…ジローちゃんがあたしを離す前に…な、何故かちゅっとわざと音を出す様に…ってやめよう!恥ずかしくて顔まで熱くなって来たぞ。



そしてなんかよくわからない内にわかちゃんと一緒にジローちゃんはいなくなり、ブン太もなにかを考える様に身を翻し、いなくなった。

それを無言で見つめる天龍寺さんをあたしは、ただボーッと見ていた。


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