逞しくなった後ろ姿　(1/4)

とりあえず、事情を話し終えてベンチに戻ると何故かギャーギャーと仲良く騒いでる下級生組に少しだけ安心する。



｢あ、璃亜先輩！｣

｢次、赤也とわかちゃんでしょ？幸村くんと跡部くんが全力で掛かって来いってさ｣

｢フン、そのつもりですよ｣

｢シングルスならまだ勝てないッスけど…ダブルスなら負けないッス！｣

｢いや、赤也はダブルス苦手だろ。まぁ、頑張っておいで！でも無茶はすんなよ｣

｢ウィッス！！｣
｢わかってますよ｣



そして元気良くコートに向かって行く２人を見送りつつ、アイシング中のひーちゃんと伊武ちゃんの元に行く。

どうやら、ちょたくんと神尾くんがひーちゃんと伊武ちゃんのアイシングを手伝ってるみたいだ。

ちなみにリョーマくんと金ちゃんは、観客席に移動したらしく金ちゃんがギャーギャーと騒いでるのが聞こえる。



｢どう？大丈夫そう？｣

｢璃亜さんが早めに気付いてくれたお陰で大した事ないみたいです｣

｢深司も大丈夫そうッスよ｣

｢おぉ、ならよかった。全く、大会前に無茶するなんてバカか！でも２人共、凄かったよ｣

｢…あーあ、先輩等に勝って、璃亜さんにご褒美って無理難題言うつもりやったんに｣

｢ちょ、ひーちゃん！？｣



ちょ、なにそれ！？
てか、伊武ちゃんも本当残念だよねぇ…みたいな顔してるし！君達は、そんな不純な理由で無茶しようとしてたのか！

やっぱりバカだ！
凄かったけどバカだ！！

て言うかね、勝ち負け関係なしにご褒美くらいあげるわ！そのくらい頑張ってたし。



｢よし！この最後の試合が終わったら、みんなにご褒美あげるから考えときなさい！あたしに出来る事ならなんでもしてあげるから！｣

｢……やっぱり、この人アホや｣
｢…本当…なにも考えてないよね…｣

｢べ、別に、俺はご褒美なんていいですよ！｣
｢だ、だよな！｣

｢なにしてもらおうかな〜｣
｢一斗は、手加減しなよ｣



なんか羽生が無理難題を言いそうでとても怖いが、まぁ気にしないでおこう。そしてちょたくんと神尾くんは、本当にいい子だな…うん。

まぁ、いいや。

とりあえず、そろそろ最後の試合が始まるからベンチに戻ろうとするとアイシング中の２人も一緒に移動して来た。


君達は、大人しくアイシングしときなさいよ！


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