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不安は独りで (1/4)


うー…、やっと終わった。

バンダナ野郎とツンツンを手当てしたくらいで、後は特に何もなかったけど、やっぱり精神的に疲れるなぁ。

それにあの不二って人の事も気になるし。幸村くんから大丈夫だから、話が終わったら連絡するって言われたけど…本当に大丈夫かなぁ。


早苗と柳くんも話に参加してるみたいだし。それで誰かに見られたりしたら困るからあたしは参加せずに一人で部屋にいる訳だけど、うーん…なんだかんだで一人になる事があんまりなかったから寂しいな。

それに一人でいると意味もなく不安になってくる。


"不安になったりしたら言いんしゃい"


……いやいやいや。
なに考えてんだ、あたしは。
いくらなんでも今は、ダメだろ。てか、なんでそこで仁王の言葉を思い出すし。

……で、でも頼れって言われたし。さすがに話すのは無理だろうけどメールくらいなら…う、うん。

とりあえず、仁王に今どこにいんの?と短文でメールを送ってみた。そして送ってからすぐに後悔した。

てか、今更ながら赤也にすればよかった!なんか赤也ならすぐメール返って来そうだし、なんか楽だし!


あぁ!やめだ、やめだ!!
ジュースでも買いに行こう!
そしてさっさと寝よう!


そしてあたしは、謎の恥ずかしさを誤魔化す様に携帯と財布を持って部屋を出た。


―――
―――――


ふぅ〜。とりあえず、散歩しつつジュース買ったし部屋に戻るか。

頭も冷えたし。

そして部屋に戻るので廊下を歩いていると見覚えのある銀髪を発見して思わず足が止まる。

あたしに背を向けているので気付いていないみたいだけど、仁王の前にいるヤツはあたしに気付いた様だ。

そしてあたしに見せ付ける様に仁王に抱き付いた。



「雅治、私…怖い」

「…急になんじゃ?」

「また楠木さんや天龍寺さんになにかされると思うと…私…」

「大丈夫じゃ、真梨亜は俺が守るぜよ。だから、安心しんしゃい」

「そうだよね…ありがとう、雅治。雅治は、私の味方だもんね?」

「当たり前じゃ。今度、真梨亜になんかしたら許さんぜよ」



勝ち誇った顔をしている月城さんが更に仁王に絡み付くと仁王もそれに応える様に月城の腰に手を回した。

…………あー、うん。
なんだろう。すっげぇ気分悪い。

そして持っていたジュースを強く握り締め、その2人の横を足早に通り過ぎてあたしは、部屋に戻った。


仁王には、早苗に送るはずのメールで間違えたとメールしといた。


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