慣れてしまった事 (1/4)
ふ、ふぅ…。
どうにか逃げ切れた様だ。
そう、あたしは仁の背中で寝たフリをしていただけだったのだよ。理由としては、多分大騒ぎとまではいかないが…あたしと仁がいなくなったと騒ぎになってたとして…あたしが起きてたら、立海メンバーが押し押せてきて話がややこしくなるからである。
それに天龍寺さんがいたら余計に面倒だからって事で仁が寝たフリしてろって言ったんだけどね。
なんか仁って頭良いよね。
インテリヤンキーかよ。
とか言ってたんだけど、ギリギリまでガチ寝してたあたしであった。
「おい、起きろ」
「…ん、仁ありがとー」
「テメェ、ガチ寝してただろ」
「いや、眠いって言ってたじゃん!しかも起きたんだからいいでしょ!」
「璃亜センパーイッ!」
「璃亜ちゃーん!」
「ぐへっ!?」
そして跡部くんの部屋に着いたらしく仁の背中からゆっくりと降りて、ガチ寝について仁に突っ込まれていると凄い勢いで赤也とジローちゃんが飛び付いて色んな意味で死にそうだ。
しかも何故か取り合いをし始める始末。そこにわかちゃんやブン太まで加わってマジでこいつ等は、あたしを殺そうとしてるんじゃなかろうか。
そしてそんなあたしを助け出してくれたのは、まさかまさかの真田パパでした。
「お前達!落ち着かんか!それと楠木!なにをこんな時間にフラフラしとるか!」
「ひ、ひえー!真田パパおこだよ!」
「とりあえず、真田はうるさい。璃亜?どういう事か説明してくれる?」
「そ、それはもちろんするんだけどね?なんでこんなに人がいるんですかね?」
「みんなあんたがいなくなったって心配してくれたのよ!っんとにバカなんだから!」
「なんかさーせん」
とりあえず、足が痛いので図々しく仁に寄り掛かると痛むのか?と聞かれたと思ったらお姫様抱っこされたよ!
ち ょ ! や め て く れ !
みんなからの視線も痛いし。なにより恥ずかしいです!うん!図々しく寄り掛かったの謝るからマジやめて!
しかしそんなあたしを無視してそのまま乱暴に近くのソファに放り投げられた。
「ちょ、ひでぇ!せめて優しく降ろそうよ!」
「うるせェ」
「てか、あたし泥塗れ!きたなっ!」
「璃亜…あんた状況わかってる?」
「え、あっ…はい、ごめんさい」
どうやら、あたしが思っていた以上に騒ぎになっていた様で静かに微笑む早苗が怖すぎてソファに座り直した。
てか、この部屋には一体何人の人がいるんだ。
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