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無事に生還しました (1/4)


そしてなんだかんだ、仁(名前教えて貰った)と言い合いをしながら森の中を歩いていた。

いや、あたし歩いてねぇや。

ちなみにあたしの中で仁は、ツンデレヤンキーとして認定されました。おめでとう!



「おい、テメェ寝んな」

「いや、寝てないし。てか、いつまで歩くの?朝になれば誰か探しに来るだろうし、大人しくしてた方がよくね?」

「テメェは、バカか。この森は立ち入り禁止になってる上に、あの女がそう簡単にここに近付けさせる訳がねぇだろぉが」

「あー、そっか」

「ハッ、死ねばいいって言いながら崖に突き落としたくれぇなんだから殺す気だったんじゃねぇの」

「バッチリ聞いてるし」



いや、でも…さすがに殺す気はないだろう。怪我でもしてこの合宿所からいなくなればいいくらいなんじゃない?まぁ、知らんけど。

それに仮に殺す気だったとしたらただのキチガイじゃないか。しかも殺人になる上に場所が場所だし、跡部くん家にも被害が及ぶとか迷惑極まりないじゃないか。

あ、でも仁がいなかったら目撃者がいない事になって自殺か事故になる可能性もあるのか。

そう考えるとなんだか怖い。



「来てくれてありがとね」

「あぁ?別にテメェの為に来たんじゃねぇよ」

「ん、でもありがと」

「フンッ…」

「ねぇ?あたし、死ねって思われる程の事したのかな」

「さぁな」

「そりゃあ人間だし?好き嫌いとか苦手、不得意とかあると思うけどさ」



さすがに崖から突き落としたいとは思った事はない。いや、確かによくみんなに死ねとか言うけどさ?たまに本気で思う事もあるけどさ、マジでやっちゃダメだと思う訳よ。

なんだろう…変な気分。

そしてあたしが急に黙ったのが気になったのか、仁が足を止める。



「なんだ、ショックでも受けてんのか」

「ん、いや。正直、あぁやって女の子に言われるのは慣れてるからそうでもない」

「確か、お前立海だったな」

「まぁね。ファンクラブとかあってさ、前は面倒くさくて関わりたくなかったんだけど…色々あって今じゃ楽しくマネージャーやってる」

「テメェは変な奴だからな」

「いや、あたしは結構普通の女子生徒だったから!変なのはテニス部員の方だし」

「フッ。でもお前みてぇなバカは嫌いじゃねぇ」



そんな事を言うと、また何事もなかった様に歩き出す仁に少し笑った。何て言うか、やっぱりツンデレヤンキーだ。

ましてや、数時前に初めてまともに話したのになんだかんだであたしを気にしてくれるし。まぁ、言い方に問題有りまくりだけど。


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