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ヤンキーは散歩好き (1/4)


そして夕飯を食べ終わり、適当に早苗達とお風呂を済ませた。と言っても、あたしが無駄に長湯してる間にみんな上がっちゃったんだけどね。

やっぱり疲れた時は長風呂に限るよね。それにこんだけ広いお風呂とかなかなか入れないしねー。

そして体もポカポカでいい気分で部屋に戻ろうと廊下を歩いていると不意に声を掛けられてゆっくり振り向く。


「ねぇ、ちょっと話があるんだけどいい?すぐ済むから来てくれる」


そこには、天龍寺さんがいた。
しかもみんなの前と違ってニコニコとした笑顔ではなく、あからさまにあたしを睨んでいた。

まぁ、身長もあたしより小さいし全然怖くないんだけどね。しかもあたしの返事も聞かずに付いて来てと言わんばかりに歩いて行ってしまう。


別に無視してもいいんだけど、あたしも天龍寺さんに聞きたいと言うか、言いたい事あるのでそのまま付いて行く事にした。


そして人目を気にする様に天龍寺さんに連れて来られたのは、建物の裏にある森の中。確か、跡部くんには色々と自然のままになってて危ないから入らない様にって言われてたはずなんだけど。

まぁ、今更か。

とりあえず、暗いから足元には気を付けて後を付いて行くと天龍寺さんが足を止めてゆっくりと振り返った。



「なんで呼ばれたかわかる?」

「まぁ、なんとなく?」

「…っ!あんた何なのよ!私は、みんなのお姫様なの!なのになんで…!あんたが…あんたのせいで景吾達は、私の話を聞いてくれなくなった…甘やかしてくれなくなった!」

「……………」

「あんた達なんて私の引き立て役のくせに!立海レギュラーも相手にしてくれないし!邪魔なのよ!」



……う、うーん?
ちょっとよくわからない。
あれか?みんなにちやほやされないのがあたしのせいだって言ってるのか。

と言うか、普通にちやほやされてた気がするけど。むしろ、天龍寺さんと月城さんは見る度に誰かといたし。

それに立海レギュラーに相手にされないとか言われても正直困るし。



「いや、邪魔と言われても困るんだけど。あたしは、ここに手伝いで来てるだけだし。確かに、色んな人と仲良くしてるのは認めるけどそれを天龍寺さんにどうこう言われる筋合いはないんだけど」

「…っ!私はお姫様なの!あんたは私の言うことを聞いてればいいのよ!」



どうやら、彼女は冷静に話が出来ない様だ。今にも殴り掛かって来そうな顔をしている天龍寺さんにどうしようかと考える。


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