無茶だとわかっていても (1/4)
あぁ、クソダルい。
さすがに寝るだけじゃ完全には回復しないか。
でも倒れる程じゃないし、無理しなければ大丈夫だろう。
で、立海の早朝練習を終えて朝食を食べに向かう。
「よっしゃ、食うぜい!」
「ブンちゃんは、飯の事になると元気じゃな」
「璃亜先輩も行くッスよー!」
「いや、あたしはちょっと用があるから先に行ってて」
「用?」
「ん、すぐ向かうよ」
そして立海メンバーと別れて、1度部屋に戻って食堂へ向かった。
とりあえず、立海メンバーの位置を確認してからあるテーブルに向かう。
なんか凄い孤立してるけど。
「比嘉の皆さん、おはよー」
「あん?おー、やーか」
「楠木くんですか、おはようございます。それで、我々になにか用ですか」
「ん、これありがと。ジャージ」
「そういやぁ、凛が貸してたな」
「一応、洗っといたから」
ジャージを借りてた事を起きてから気付いて、急いで洗濯しました。
で、返しに来たわけです。
てか、なんか凄い視線を感じるんだけど。え、なんなの?
恐る恐る周りを見れば、何故かこっちを見ている人が大半である。
「はぁ…早く戻りなさいよ」
「お、おん」
「むっ、なにしてるばぁ?」
「うわ、慧くん帰って来たさー」
「げぇっ…またあんなに。だからデブなんやし」
「あ、じゃあもう行くわ。ホントありがと」
とりあえず、この訳のわからん視線も嫌だし。なんかすげぇ、巨体が現れたから逃げよう。
急いで離れようと身を翻すが、何故か腕を掴まれて危うく転びそうになる。
そしてゆっくりと振り返ると木手くんが眼鏡のブリッジを押さえながらあたしを見上げていた。
「体調は大丈夫なんですか」
「え、あー大丈夫」
「確かに、顔色は悪くはない様ですが無理はしないで下さいよ。また倒れられても迷惑ですからね」
「ハハッ、仮に倒れても比嘉には迷惑掛けないから安心してくれ」
「やー、面白い奴やし。ちばりよー」
「おう、ちばるよー!じゃ」
なかなか棘がある言い方だけど、あたしを心配してくれているんだろう。
平古場くんと甲斐くんがあたしにヒラヒラと手を振っていたので、とりあえず振り返してから立海メンバーの元へ向かった。
で、戻るなりなんで比嘉と喋ってるんだ!?みたいな感じになった。
いや、別にいいだろ…と思いながら適当にジャージを借りた事を話した。
もちろん、具合が悪かったからとかそんな事は言わずにね。
prev|
next