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凛々しく脆く (1/4)


あの日以来、特に銀髪と関わってない。ちなみにあたしが起きた時には銀髪はもういなくて、起こしに来た早苗に怒られたのを覚えてる。



「なぁ、楠木」

「なに」

「ジャンケンしようぜぃ」

「丁重にお断りします」

「なんでだよぃ!?ジャンケンくらい別にいいだろぃ!」

「うるさいなぁ…はい、ジャンケンポン。はい、あたしの負け〜これで満足か?じゃ、静かにしてくれ」



相変わらず、赤髪はうるさい。
毎日毎日、飽きもせずこうして訳のわからない事を言ってくる。たまに切原くんも混ざってさらにやかましくなるのが最近の悩みである。

それでもなく目立つのに本当にやめていただきたい。それに柳くんから聞いたんだけど切原くんにもファンクラブあるらしいし。

もう面倒な事しかない。



「なぁ、ジャンケン負けたんだからいい加減名前で呼べって!」

「赤髪のシャンス?」

「そのネタは、もういいだろぃ!ブン太だよ、丸井ブン太ー!」

「え、丸いブタ?」

「おまっ、はっ倒すぞぃ!」

「うるさいなぁ。はいはい、ブン太ブン太ブン太ブン太〜おけ?」



頬杖を付きながら興味がないと言うか赤髪の相手をするのが面倒臭くなっていたあたしは、適当に名前を連呼した。

ちなみに赤髪の方は、見ていない。と言うか、眠いからボーッとしていた。

銀髪も机に突っ伏して寝てる様だし、あたしも寝ようかと思っているとガシッと肩を掴まれてゆっくりと振り返ると赤髪がもじもじしてた。


……え、なにこれ気持ち悪い。



「も、もっかい呼んでくれぃ」

「…は?」

「名前だよ、名前!」

「あー、丸井くん?ブン太くん?シャンス?」

「ブン太だよぃ!」

「ブン太〜ブン太〜ブン太〜」



うわ、なんか気持ち悪い。
なんかの呪文みたいだ。だけど、これで赤髪が大人しくなるならまぁ安いか。

そんな事を考えながらゆっくりと机に突っ伏して寝る体勢に入ると今度は、逆の方から腕を掴まれる。

ゆっくりと顔を上げると机に突っ伏して寝ていたはずの銀髪があたしの腕を掴んでいる。



「………なに」

「プリッ…」

「…はっ?」

「なぁ、璃亜!」

「なに気安く名前で呼んでんだ、赤髪ィ!」

「なんだよぃ!べ、別にいいだろぃ!」



しかしどさくさに紛れてあたしを名前で呼ぶ赤髪にバッと顔を上げたせいで銀髪があたしの腕を離した。

てか、ホントにうるさいな。
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