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紳士様とお話し (1/4)


相変わらず、どうでもいい様な…そうでもない様な…そんなよくわからない日々を過ごしている楠木璃亜です。

今日も朝練が終わり、朝から丸井と切原くんに挟まれて大変やかましかったです。

教室にいたらいたで、仁王がやたらとちょっかい掛けてくるし。もう、なんか色々と面倒臭いです。



「なるほど、だから私のところへ来たという事ですか」

「いや、まぁ…うん。授業始まるのに教室と逆の方に歩いていく柳生くんが見えたもんで」

「サボりでは、ありませんよ?次の授業が自習でして、図書室で色々と調べようかと思っただけです」

「あーだよね。柳生くんが授業サボるとか言い出したら仁王だと思うもん」

「それ以前に楠木さんは、仁王くんの変装にすぐに気付くじゃないですか」



いや、まぁ…それはね。
なんかもうなんとなくわかる様になっちゃったと言うか…なんと言うか…ね。

まぁ、あの滲み出るウザさと言うか…胡散臭さと言うかでわかるんだよ、うん。

とりあえず、柳生くんと一緒に図書室にいるんだけど…自習の邪魔はしたくないので大人しくしている事にする。

むしろ、寝てしまおうかなとか思ってる次第です。



「楠木さんが良ければですが、こうして静かな場所で2人になる機会もなかなかないですし。お話をしませんか?」

「え、あたしは別にいいけど…柳生くんは自習の課題やるんじゃないの?」

「課題は話しながらで大丈夫ですよ。そんなに難しいものではないので」

「もしかして、あたしに気使ってる?さすが柳生くん…紳士だわ。でももしなら寝ちゃうし大丈夫だよ」

「そんなつもりで言った訳ではないですよ。純粋に楠木さんとお話がしたいだけです」



眼鏡で目元はよくわからないけど多分、今めちゃくちゃ優しい笑みを浮かべているであろう柳生くんにときめきつつもなら話そう!と言うとゆっくりと頷いてくれた。

うん、やっぱり柳生くんはいいね。柳くんとはまた違った感じだけど凄い落ち着いてるし、何より紳士だ。

そんな事を考えているとあたしの携帯が震え出す。



「あ、わかちゃんからメールだ」

「相変わらず、氷帝の方々とも仲が良いみたいですね」

「うん!がっくんなんてほぼ毎日メールくれるしね。跡部くんも電話して来たりする」



そうですか。と言いながら顔を上げる柳生くんは、眼鏡のせいもあってか表情がよくわからなかった。


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